準優勝の御所実も立派、最大の強みは「タフさ」

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限られた環境でできることを突き詰め、決勝に進出した御所実業 (C)JRFU 2015, photo by RJP Kenji Demura

準優勝の御所実業は、主軸にケガ人が出るなどかわいそうな面もある中で、ここまで勝ち上がったというのは立派だと思います。決勝では東福岡に5−57で完敗を喫しましたが、ベスト8以上ではただ一校の公立高校ですから、この成績は称えられるべきでしょう。

この御所実業も、たまたま勝ち上がったのではなく、限られた環境の中で最大限の体づくりに取り組み、かつ忠実に基本プレーを遂行するなど、確かな地力を備えていました。多くの指導者は、どうしても結果を出すために焦ってスキルのことばかりに目を向けがちです。しかし選手一人ひとりのことを考え、本当に必要なラグビー以外のトレーニング、筋力トレーニングや体幹トレーニングを地道に重ねてきたことが、あのハードな日程の大会で決勝まで勝ち上がった要因だったと感じます。

御所実業の一番の強さは、「タフだった」ということです。だからこそ3回戦の慶應義塾戦でも、ロスタイムに逆転トライを奪われる絶体絶命の状況から再逆転するという劇的な勝利を収めることができました。準々決勝の國學院久我山戦、準決勝の京都成章戦でも、体だけでなく精神的な部分も含めて、選手たちのたくましさは際立っていました。


ハードな日程の花園で必要な要素と、今大会で目をひいた傾向

1日おきに激しい試合をこなさなければならない花園において、元日に行われる3回戦以降は、いわば全試合が「逆境」の状況です。試合の前半ですでに疲弊してしまうような状況でいかに力を発揮し、勝ち上がっていくかを見ていくと、そのチームの本当の力が見えてきます。

そんな厳しい戦いでは、普段からラグビーのことを真剣に考え、自己管理してきたかということが大事になる。やらされるのではなく自発的に、かつ地道にトレーニングしてきたチームが、きちんと勝ち上がっていった大会だったと感じます。

全体的な傾向としては、ストレングス&コンディショニング(S&C)の部分、つまり筋力トレーニングでしっかり体づくりをすることが前提になり、体が大きくなったと感じました。ひいき目かもしれませんが、ユース世代の一貫指導が全国的に定着してきた成果と言えると思います。また体幹の強さも平均的に見て上がったと感じます。ランニングフォームが安定していましたし、飛び込むタックル、頭から突っ込むだけのオーバーも減りました。立ってラグビーをプレーできるベースができてきたという印象です。

同時にハンドリングスキル、ボールを動かして日本人の特長であるスピードを武器に戦おうという意思を感じさせるチームも多くありました。特に1、2回戦は、それをやったチームが圧勝するケースが多かった。以前なら得点するのに時間がかかる接近戦に固執するチームが多かったため、スコアが停滞する試合が目立ったのですが、今大会ではそこが改善されてきているように映りました。