待ちに待ったストリート750のインプレッション
昨年5月のハーレーダビッドソン最大のイベント『ブルースカイヘブン』の際に日本上陸をはたした最新モデル ストリート750。「早ければ2014年12月に発売予定」と言われ、かなりの冷却期間を経ての登場となりました。神奈川某所で開催されたストリート750のメディアローンチでは、このモデルの開発に携わったアメリカのハーレー本社のインダストリアルデザイン部門に所属する日本人デザイナー、ダイス・ナガオさんがゲストとして登壇。ストリート750開発に関する本社の声を届けてくださいました。
「ハーレーダビッドソンと言えば、ビッグクルーザー」、そんなイメージが強いかと思います。スポーティなモデルも手がけていますが、「ミドルクラスの排気量(大体500~800cc)でストリートシーンに映える若者向けのモデルをつくろう」という号令のもと、このプロジェクトがスタートしたと言います。カラーも、従来のクロームメッキではなくブラックを基調とし、ハーレーらしさを損なわないミドルバイク。ラフスケッチの段階ではさまざまな案が出たそうですが、“ストリートシーンに映える”という点から、かつての名車がひとつのアイコンとして浮上しました。
それがこちら、唯一のカフェレーサーモデルとしてハーレーの歴史に燦然と輝く XLCR です。このダークでスタイリッシュなストリートレーサーをモチーフに、新時代のカフェレーサーとしてストリート750が生み出されたのです。
さらに話題を呼んだのが、このエンジン。60°クランクの水冷Vツインエンジン『レボリューションX』と言います。オートバイのエンジンは大きく分けて空冷と水冷があるのですが、これは駆動することで熱を発するエンジンを冷却させる機能の違いで、端的に言えば古くから用いられているのが“空気で冷やす”空冷方式で、その空冷以上に効率よくエンジンを冷やす水冷方式という二種類になります(油冷という方式もありますが、それはまた別の機会に)。
水冷機能の方が冷却効果が高いため、当然エンジンはより高いレベルで性能を発揮することができます。これによってエンジンフィーリングはより良く変化していきます。しかしハーレーダビッドソンというモーターサイクルは、効率化ではなく古き良き時代の鼓動感をアイデンティティとしており、そこには45°クランク空冷Vツインエンジンという伝統が存在するのです。つまりこの水冷エンジン『レボリューションX』は、“水冷エンジンはハーレーにあらず”という伝統に真っ向から挑む格好となっているのです。
いよいよ試乗の機会を得た“渦中のマシン”ストリート750。そのインプレッションは……!