「慣らす」ための工夫
・無理強いし過ぎても、逆効果食べなさい!と無理やり食べさせるのは逆効果と示す研究がいくつかあります。嫌な思い出と食べ物が重なると、その食べ物をよけい食べなくなってしまうんですね。
・調子の悪い時に、新しいものにチャレンジさせない
身体が正常に機能していない病気中や疲れている時などは、なかなか新しい食べ物に手を伸ばすということは難しいもの。また嫌な感覚と重なった食べ物は、その後も食べる気がしなくなってしまいます。吐いてしまった時に口にしていたものなど、2度と食べたくないなんてこともありますね。
・大人が多様な食べ物を子供の前で食べる
まずは様々な料理の見た目や雰囲気に慣れさせます。そして「食べてみない?」などと声をかけ、バラエティーのある食べ物を少量でも口に入れることを続けてみます。もし身体が必要と納得すれば、欲しがるようになっていきます。
・子供の目の前で「いかにもおいしそう」に食べる
子供は大人の真似をして育っていくもの。また子供は「雰囲気」でその気になりやすいですね。「うわあ、美味しい!」と周りが目を輝かせて食べているものは、ちょっと食べてみようかなあと思うもの。逆に、無表情だったり不味そうに食べていたら、あまり口に入れたいと思わないでしょう。
・見た目を美味しそう&楽しくしてみる
見るからに美味しそうな盛り付けや器の色合いってありますね。同じ食べ物なのに、こうも食いつきが違うかと驚くものです。忙しいと、ついついとにかくバシャッと器によそって食べる、となりがちですが、少しでも心がけてみましょう。
・お腹がすいているときに、新しいものに挑戦するようにする
腹ペコならば、何だって美味しく感じます。
・見慣れた食べ物や好きな食べ物とセットで新しいものを食べさせる
より抵抗感なく新しいものを口にできます。野菜を大好きなパウンドケーキに練りこんだり、少し甘くしたババロアにしてみることもできます。フルーツ入りの野菜ジュースなどもいいですね。
・一緒に作る
料理の過程を体験すると、食べたい気持ちも盛り上がります。苦手なキュウリもシイタケも、自分で刻んでみると、口に入れたくなるものです。
"食べず嫌い"と"食べても嫌い"がありますが、どちらもまずはとにかく忍耐強く身体に取り入れさせ「慣らす」こと。それでも何度与えても嫌いな場合というのは、子供自身が必要な栄養を自ら取り入れようとするシステムを信じてみるのもいいかもしれません。その子の身体には今は必要でないのかもしれません。味覚というのは変わりますし、大きくなれば自然に食べるようになるものもあります。
人類の歴史を遥か遡り刻まれた子供の好き嫌い。多様な食べ物に「慣らす」ために、「おっ、食べてみようかな」と子供達がつい手を伸ばしたくなるような工夫を、できる範囲で取り入れていきたいですね。