日本版ブックメーカーの予兆

日本版ブックメーカーの予兆

日本で今カジノ合法化が検討されていることはマスコミなどの報道から知っている人も多いだろう。世界約140カ国で合法化され、税収などを生んでいるカジノを、財政難にあえぐ日本でも導入しようというものだ。

しかし現在は刑法によって禁止されているため、違法性を阻却するための特別法の制定などを行わなければならず、実現するとしても数年先にならざるをえない。

そんな時に浮上したのが海外のレースの馬券を日本で発売できるようにする法改正(競馬法改正)だ。

強くなった日本の馬

近年、日本の馬は質がアップし、海外の大レースに出走しても互角に戦えるようになってきた。ディープインパクトやオルフェーヴルといった最強馬たちは惜しくも凱旋門賞で3着と2着に敗れたものの、ヴィクトワールピサは世界最高賞金額のドバイワールドカップを優勝する快挙を達成している。

昨年もジェンティルドンナとジャスタウェイがドバイのレースを快勝し、ジャスタウェイについてはその圧勝ぶりが評価され、サラブレッドの強さを示すレイティングという指標で世界ランキング1位に評価された。

それ自体は喜ばしいが、その反面、皮肉なことも起きている。

日本馬が強くなるほど国内の馬券が売れない?

日本の名馬が海外レースに出た場合、日本ではその馬券を買うことができない。買いたい人は現地まで行くか、あるいは欧州のブックメーカーで買うことしかできない。

つまり日本馬が強くなり、海外で活躍するようになればなるほど、日本人のお金が海外に流出するという皮肉な状況となっている。

しかも人気馬が海外に行ってしまえば国内のレースはつまらなくなり、その分、馬券も売れなくなる。つまりファンが海外で馬券を買う一方、国内のレースが売れなくなるのだから、主催者のJRA(日本中央競馬会)やそこから国庫納付金(税金に準ずるもの)を得ている国としてはダブルパンチともいえるのだ。

海外のレースを日本で買えるよう法改正

そこで浮上したのが、海外レースの馬券をJRAで発売できるようにする案だ。

関係者を取材したところ、農林水産省ではすでに法改正のための準備が行われており、通常国会に競馬法改正案が提出される見込みとのこと。政府自民党も今回の法改正を行うことを明言している。

でも、今回の法改正はなぜこれほど迅速に行われるのか

何事を変えるにも常に時間がかかる日本の政府が、これほどスピーディーに作業を進めるのは珍しい。

その真意はどこにあるのか?