営業に内緒でこっそり工事を依頼してくる施主にがっかり
現場で仕事をするだけが大工さんではないのです。準備・段取りから、道具の手入れまで、全てがプロの仕事として誇りをもって作業しているのです。
というのも、見積り書に記載された金額で仕上げるには、予定された材料と工期で仕上げなければならず、工事中に施主の変更希望をいちいち聞いていたらいつ工事が終わるかもわかりませんし、そもそも金額トラブルになることは目に見えています。
「『職人さんならチョチョイのチョイでしょ?』などと、しつこく工事をサービスさせようとするお客さんもいるので、そういう時は『うちの営業担当者に聞いてください』とか『そこはいじらない方が見栄えがいいですよ』とか言って、素っ気無く言い返してやるんですよ。」
大工さんは持てる技術が生活の術
腕のいい大工さんを見ていると、簡単に出来てしまいそうな工事でも、実は施主の目に見えないところで準備や段取りをしているのです。大工さんの技術はいわば「飯の種」です。それをサービス(無償)でやらせてしまおうという施主の意図が見えてしまう不用意な一言は、大工さんのプライドを傷つけ、がっかりさせてしまうのです。今回は2人の大工さんの独り言をご紹介しました。そのお話の中には意外と本音が詰まっていて、工事を発注する施主側としても学ぶべきものがあるようです。工事期間中、大工さんと適度なコミュニケーションを取るのは大切ですが、「親しき仲にも礼儀あり」ということを忘れずに、お互いの立場を尊重して接するよ うにしたいものです。