退職までにいくら必要?老後資金を計算しよう!
お金を貯めて安心のセカンドライフを迎えたい。そう考える人がまずやるべきことは、退職後の生活にいくら必要なのかを知ることです。どんなことにいくらくらいかかりそうか、そのうち年金などの収入でどれくらいカバーできそうか、将来の支出と収入を書き出して見積もることで、今から準備すべき金額がみえてきます。退職までに準備すべき金額は、以下の式で計算できます。
退職までに準備すべき金額の計算式
ステップ1.セカンドライフの支出額を計算しよう
まず、セカンドライフの支出額について計算してみましょう。セカンドライフの支出額は、「基本日常生活費」+「ゆとり生活費」+「臨時費用」の大きく三つにわけて考えます。セカンドライフの支出額の計算式
「基本日常生活費」は、食費や光熱費、交通費や交際費など日常的にかかる支出のこと。退職したら支出は減る傾向があり、基本日常生活費は現役時代の7~8割程度が目安になります。ただし老後も今と同じ生活レベルを維持したいという人は現在と同額の見積もりでもOKです。
参考までに平均的な老後生活の支出額をあげると、夫婦二人の世帯では月額276,399円、単身世帯では147,784円となっています(総務省統計局平成26年2月18日公表の「家計調査報告(家計収支編)」)
「ゆとり生活費」は、外食、趣味、交際費など生活をより楽しむための費用です。どんなセカンドライフを送りたいかをできるだけ具体的にイメージして見積もることがポイント。基本日常生活費を含めた「ゆとりある老後生活費」に必要な金額は月額354,000円という調査結果があるのでご参考ください(生命保険文化センター平成25年度「生活保障に関する調査」)。また、このゆとり費用は多く見積もれるほど、将来の社会保障やインフレの不安に備えられることにもつながります。
これらの支出月額にセカンドライフの期間を掛けて合計金額を出します。60歳の男性の平均余命は23.14年、女性が28.47年。つまり60歳の男性は83歳、女性は88歳まで生存する可能性が高いということです。たとえば夫婦が同じ年齢のケースであれば、夫婦二人の期間は「23年」、夫死亡後の妻一人の期間は「5年」として計算します。
次に「臨時費用」についてみてみましょう。「臨時費用」とは、リフォームや車の買い替えなど、毎月ではなく一時的にかかる費用のことです。下表の項目を参考にかかりそうな費用、かけたい費用について試算してみましょう。
これらの費用の中でも、医療費、介護費が気になるという人は多いでしょう。医療費については、60歳以上の一人当たり医療費平均負担額は年間8~9万円となっており(平成23年度「医療保険に関する基礎資料」)、これを参考にすると備えるときの目安は一人当たり250万円程度となります。
介護費用の平均については、一時費用が91.3万円、月々の費用が7.7万、介護期間が56.5月というデータ(生命保険文化センター「平成24年度「生命保険に関する全国実態調査」」)があり、一人当たりだいたい500万円を準備できれば安心といえそうです。医療費、介護費、葬儀費などは民間の保険で備えているという人は、それを考慮してカバーしきれていない金額を入れてください。
「基本日常生活費」「ゆとり生活費」「臨時費用」のそれぞれの金額が出たら、足し合わせてセカンドライフの支出額を出しましょう。
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