株式戦略マル秘レポート/戸松信博の「海外投資、注目銘柄はここ!」

中国の利下げで騰がる中国株と日本株は?

中国人民銀行が2年4ヶ月ぶりの利下げを実施。今回は過去の利下げ局面を参考に何が買いなのかを検証してみました。

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

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中国人民銀行が2年4ヶ月ぶりの利下げを決定!

中国人民銀行が2年4ヶ月ぶりの利下げを決定!今後有利な金融商品は!?

中国人民銀行が2年4ヶ月ぶりの利下げを決定!今後有利な金融商品は!?

中国の中央銀行である中国人民銀行は11月21日市場の引け後に2012年7月以来となる利下げを発表しました。(1年物)貸出基準金利は40ベーシスポイント引き下げられ5.60%に、預金基準金利の方は25ベーシスポイント引き下げられ2.75%となります。これを受けて11月21日の米国市場は中国に関連する資源、鉄鋼、食品などの株価が上昇しました。

結論として中国指導部の金融政策は迷走しているように感じます。前回、2012年の景気減速、欧州債務危機、中国株急落を受けて6月、7月に2度の利下げを行いましたが、それが充分でなく、2年4ヶ月辛抱した末に、耐えきれずに再び利下げに踏み切ったという印象です。間は空いたもののこれで3回連続しての利下げとなります。この間の期間は結局株価も往来相場を繰り返しただけであり、経済も停滞したままでした。そもそも2010年後半から5回続けて利上げしたことが今回利下げに至るまでの迷走の原因と分析します。

中国の迷走は不動産バブル沈静化との難しい綱引きの結果

ただ、これは中国の不動産バブル沈静化との難しい綱引きの結果であり、仕方のないことかもしれません。本当は米国や最近の日本のように徹底的に、経済が回復しきるまで利下げをしたかったのかもしれませんが、利下げによる景気刺激と、不動産バブルは交換トレードのようなものであり、裏表セットなのです。中国の不動産バブル崩壊懸念は数年前より深刻化してきたので、早々に利上げを行い、また一時的な景気減速時も最小限の利下げに留める必要あったのかもしれません。もし緩和をし続ければ不動産(住宅)はもはや庶民の手に届かなくなり、一方富裕層はさらにマンション投機を行ってさらに富むようになってしまいます。そのような状況になってしまえば格差に燻る社会不安を爆発させ、政権を揺るがしかねなかったからです。

そうしてこれまで利下げカードを出し渋ってきましたが、「滬港通」という2014年4月に発表した別のカードも、噂で騰がってきたものの、いざ開始となった途端に株価が下がってきている状況であり、ここで利下げカードを出さざるを得なかったのではないかとも思います。とりあえず利下げに踏み切ったことで、もしかすると今後もう1~2段の利下げがあるかもしれません。ここでは過去の利下げ局面のおさらいをし、利下げ時の狙い目を考えたいと思います。

>>>利下げ時の狙い目は!?次のページも必見です!
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