市販薬を考える前に

通常、更年期障害と思われる症状で医療機関を受診する場合は、まず更年期障害の症状に似た他の疾患はないかを確認します。悪性疾患、甲状腺疾患、うつ病などの可能性がないか、閉経の有無、月経周期との関連はどうかなどを確認し薬を処方するといった対応になります。

一時的に市販薬で対応する場合も定期診断などは受けるようにして、更年期障害以外の疾患がないかを確認しておくようにしましょう。

市販で買える更年期障害治療薬

市販薬の更年期障害治療薬は漢方を主とした製品となっています。漢方にあまりなじみがない方もいると思いますが、更年期障害における漢方療法はエビデンスも評価されていて、自律神経症状や精神症状に効果が期待できます。

漢方以外の成分としては、冷えや冷えを原因とする肩こりなどの更年期症状に効能のあるビタミンE製剤があり、生薬成分にビタミンEが配合された製品などもあります。

更年期障害治療薬の選び方

市販で売られている漢方薬には、日本古来からある処方のものや、製薬会社独自の生薬が配合されているものがあります。更年期障害治療薬としてよく知られている 「命の母A錠」(小林製薬)などは製薬会社独自の配合です。また、伝統的処方の「当帰芍薬散」、「桂枝茯苓丸」、「加味逍遥散」などは保険適応があり、医療用としても更年期障害によく用いられますし、市販でも購入できます。

イライラなどの精神症状

イライラなどの精神症状

ただ、ひとことに更年期障害といってもその症状は多様で個人差があります。自律神経系の症状(のぼせ、冷や汗、心悸亢進など)か、精神症状(情緒不安定、イライラ、抑うつ気分、不安感など)かによって、また服用する人の体質によっても選ぶべき薬が異なります。“更年期障害に”という表記だけではなく、どのタイプの更年期障害に合った薬かというところまで確認して選ぶことが大切です。

自律神経症状(のぼせ、動悸など)が気になる方は

漢方処方名としては「当帰芍薬散」、「桂枝茯苓丸」、「四物湯」、「連珠飲」(四物湯合苓桂朮甘湯)などがあり、製薬会社独自の配合の漢方製剤としての「命の母A錠」(小林製薬)や「ツムラの女性薬ラムールQ」(ツムラ)などもどちらかといえば自律神経症状に向いた内容のようです。

■比較的体力のない方には
「当帰芍薬散」、「四物湯」、「ルビーナ」(連珠飲、タケダ)、「神恵」(四物湯+ビタミン他、佐藤製薬)など

「当帰芍薬散」、「四物湯」はどちらも貧血傾向のある自律神経症状に用いますが、前者はどちらかというと浮腫む(むくむ)タイプ、後者は肌が乾燥するタイプに用います。「連珠飲」は四物湯に苓桂朮甘湯という処方を加えたものでのぼせ、めまいなどにも効能があります。

■体力中等度もしくはそれ以上の方には
「桂枝茯苓丸」、「ケイホープB」(桂枝茯苓丸+ビタミン、湧永製薬)など

女性のための体質改善薬として長期で用いられ、肩こり、頭重感、イライラなどにも効果があります。

精神症状が気になる方は

■比較的体力のない方には
「加味逍遥散」、「抑肝散」、「オーカン」(抑肝散、杉内製薬)など

「加味逍遥散」は疲れやすい、手足がだるい、不眠、イライラやめまい、肩こりなどにも用います。更年期障害の代表的な漢方薬です。神経過敏で眠れない場合には抑肝散を用います。

■体力中等度もしくはそれ以上の方には
「柴胡加竜骨牡蠣湯」、「ロート和漢箋柴胡加竜骨牡蠣湯錠」など

精神不安、不眠、めまいなどがある方に用います。


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更年期に向き合っていつもの自分らしさを

市販薬の漢方薬は通常医療機関で処方される量より成分量が少なくなっています。また、漢方は効果があらわれるのが緩徐ですが、上記以外にも更年期障害に使われるたくさんの漢方処方があります。

服用してもなかなか改善が見られない場合は、他の処方が合っている場合や更年期障害以外の別の疾患の可能性もあるので一度医療機関を受診するようにしてください。更年期障害は閉経後5年程度で改善していき、ずっと続く症状ではありません。自分にあった対策を見つけて上手に付き合っていきましょう。

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