鉄道/観光・イベント列車

わたらせ渓谷鐵道で、トロッコ列車に乗ろう(3ページ目)

渡良瀬川に沿って走るわたらせ渓谷鐵道には、観光用のトロッコわたらせ渓谷号が週末を中心に走っている。そのレトロな汽車旅とともに、ユニークな施設のある駅、昭和の面影を残すレトロな木造駅舎の駅など途中下車の楽しみもおおい路線である。

野田 隆

執筆者:野田 隆

鉄道ガイド

トンネルでの演出と銅山跡観光

トンネル内では天井にイルミネーションが映しだされる

トンネル内では天井にイルミネーションが映しだされる

神戸を出ると、約5キロもの長いトンネルに突入する。外は暑かったが、中はひんやりして思わず上着を着る。真っ暗で車窓は楽しめないと思っていたら、天井にイルミネーションが映し出された。歓声があちこちであがりシャッター音も車内でこだまする。

 

花に囲まれた沢入(そうり)駅

花に囲まれた沢入(そうり)駅

駅名標が花に埋もれたような沢入(そうり)駅を経て、原向(はらむこう)を過ぎる。通洞(つうどう)が近づくと、左手に山肌が禿げた痛々しい姿が目に入る。荒廃とした廃坑が点在し、かつては栄えた足尾銅山の光と影の歴史に思いをはすことができる。通洞で多数の観光客が下車し、銅山観光に向かう。

終着駅は鉄道ファンに人気

国鉄時代から変わらぬ木造駅舎の足尾駅

国鉄時代から変わらぬ木造駅舎の足尾駅

残り少なくなった客を乗せて、トロッコ列車は一駅走って足尾が終点となる。歴史ある木造駅舎を持つ広い構内は閑散として、国鉄時代に使われたディーゼルカーや貨車が片隅で展示されている。トロッコ列車は、しばし休んだ後、機関車を付け替えて大間々まで戻っていく。

 

淋しい感じのしなかった行き止まりの終着駅・間藤

淋しい感じのしなかった行き止まりの終着駅・間藤

わ鐵の終点は、もう一駅先の間藤(まとう)だ。せっかくだから、次の普通列車に乗り完乗を遂げる。意外に賑わい、観光客や鉄道ファンが折り返しの時間まで写真を撮ったりして楽しんでいる。「カモシカの見られる駅」とあったが、30分の滞在中には現れなかった。また、紀行作家・宮脇俊三氏が国鉄完乗を成し遂げた駅としても知られ、それを記念する表示もあった。

トロッコ以外のイベント列車も

爽やかな演奏で盛り上がる音楽列車

爽やかな演奏で盛り上がる音楽列車

帰りの列車は、普通のディーゼルカーだったが、車内では、運転台後ろのスペースを利用してミニ・コンサートを催す「音楽列車」だった。ギターやケナーの音色が奏でる南米の音楽が渡良瀬川沿いに爽やかに響き、旅の疲れも消えていった。

トロッコ列車の予約について

<ガイド>
トロッコ列車の整理券は500円。わたらせ渓谷鐵道の有人駅のほか、JR東日本のみどりの窓口、びゅうプラザ、東武トラベルでも事前に購入できる。
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