トロッコ列車は大人気
神戸駅に到着するトロッコ列車
大間々駅は、わ鐵の本社と車両基地のある駅で、トロッコ列車は、この駅が始発となる。駅前には観光バスが駐車できるスペースもあるので、ツアー客やマイカーで来た家族連れなどでごった返していた。あらかじめトロッコ列車の整理券を入手しておいて正解だった。
トロッコ列車の車内は簡素な造りだが、自然に触れるには打ってつけだ
ホームの受付で整理券を出して指定券をもらう。満席に近いので相席だという。トロッコ列車が入線し、すでに並んでいた列に従って車内へ入る。観光列車らしく、車内は賑やかだ。すでに記念写真を撮りあっているグループもいる。テレビの取材班が乗り込んでいるとの話が飛び交っている。隣の車両で女優2人を中心に旅番組の撮影をしていた。
列車はゆっくりとスタートする。ディーゼル機関車牽引の列車は「汽車旅」という表現にぴったりのレトロな雰囲気だ。旧国鉄から譲り受けた機関車と客車から成り立っているので、車内放送のチャイムもブルートレインのものと同じハイケンスのセレナーデ。昭和のムード満点だ。
ユニークな駅が相次いで登場
列車は渡良瀬川に沿って走る
やがて列車は、渡良瀬川に沿って走り出す。ごろごろと大小様々な石が転がっている中を川が静かに流れている。穏やかだが、かつては足尾鉱毒事件で騒がれた暗い歴史のあった川でもある。
ホームから直接温泉に入れる水沼駅
トロッコ列車は、最初の停車駅・水沼に着く。右側の上り線ホームには大きな建物がある。水沼駅温泉センターだ。入口には、紺に白字で染め抜かれた男湯と朱に白字で染め抜かれた女湯の暖簾が吊るされ、雰囲気満点だ。入ると下駄箱があり、土足では中へ入れない。かっぱ風呂をはじめ温泉や食事処があり、半日楽しめそうだ。
列車レストランのある神戸(ごうど)駅
列車は出発して、再び渡良瀬川沿いに曲がりくねりながらのんびり走る。小さなダムがあって、満々と水を湛えたかと思えば、再び石ころだらけの河原が展開する。次の神戸(ごうど)駅では、5分停車して一息つく。
駅名の読み方が変わっているので目立つが、それ以上にユニークなのが右手の上りホーム脇にある青く塗られた2両の鉄道車両だ。元東武のロマンスカーの廃車体だが、中は清流という名前のレストランとなっている。元特急だけあって、座席はゆったりしてくつろげる。食事だけでなく、軽食や喫茶で一息つくのにも手頃な場所だ。