家づくりノートやファイルをつくってみる
家を建てようと思い完成するまで少なくとも1、2年はかかります。予算から始まり土地がない場合は土地探しをして、それから建築計画です。
「どんな住まいにしたいですか?」という質問を受けるまでには、実に多くの問題点をクリアにして、ようやくたどりつけるところなのです。
情報収集もそうですが、これまで家族の生活を考えたり、意識をつくるという経験はなかったはずです。これらの経験や体験は、家族のつながりはもちろん生活スタイルをつくってくれているのです。
家づくりノートやファイルをつくることで5年後、10年後の家族像が見えてくることでしょう。
伝えると伝わるは違う
家のイメージを建築家に伝える際、同じ言葉でもそこから連想する空間は人によってさまざまです。イメージは伝えているはずなのに、打ち合せする度にスッキリせずやや不満になることがあるかも知れません。それは「伝える」ことはできていても「伝わる」までには至っていないからです。
たとえば、中庭をとり入れてほしい伝えると、建築家は中庭をとり入れたプランを考えてくるでしょう。しかしその時に「明るく開放感があり、外と内を行ったりきたりできる安心した多目的なスペースがほしい」という暮らしの要望を含めて伝えることで、単に中庭ではなく、したい暮らしをかなえるプランの提案をしてくれるかも知れません。そこには自分が想像した以上の新しい膨らみある生活のアイデアや提案があるかも知れません。
「伝える」は施主のやや一方的な話になりがちです。
難しいですが、「伝わる」ことを自分流に意識して話してみて下さい。
ガイド佐川旭のアドバイス
近年はインターネットでさまざまな情報を簡単に入手することができます。とても良いのですが、自分の意見がなく情報にふり回されてしまい、なかなか決められない施主が多いのも事実です。一方でこだわりが強すぎてせっかく建築家に依頼しているにも関わらず、自分で仕切って物事を進める施主もいます。そうなると選択肢が狭まりかねません。
幅広く提案を受け「こんな感じが好きです。」「ならこんなイメージは~」などキャッチボールをしながら、プロのアイデアを引き出し気持ちよい打ち合せを重ねていくことで、理想の家づくりにたどりつくはずです。