鉄道/寝台・夜行列車

最後のブルートレイン! 寝台特急「北斗星」の旅(2ページ目)

残り少なくなった寝台特急。中でも昔ながらの青い客車(ブルートレイン)で編成された定期列車は、上野と札幌を結ぶ「北斗星」だけとなってしまった。豪華寝台特急「カシオペア」と異なり、A個室からB個室、それに旧式の開放B寝台まで寝台車のタイプは様々で、グループでの旅、二人旅、それに一人旅にも対応している。2016年3月の北海道新幹線部分開業とともに引退もささやかれる「北斗星」。今回は札幌から上野まで乗車してみた。

野田 隆

野田 隆

鉄道 ガイド

名古屋市生まれ。生家の近くを走っていた中央西線のSL・D51を見て育ったことから、鉄道ファン歴が始まる。早稲田大学大学院修了後、高校で語学を教える傍ら、ヨーロッパの鉄道旅行を楽しみ、「ヨーロッパ鉄道と音楽の旅」を出版。その後、守備範囲を国内にも広げ、2010年3月で教員を退職。旅行作家として活躍中。

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食堂車グランシャリオでディナータイム

食堂車

食堂車グランシャリオ

洞爺を出たあたりで、食事タイムが来て、7号車グランシャリオ(「北斗星」の食堂車の愛称)に案内された。予約はいっぱいなので、一人の客はすべて相席である。もっとも、4人席の窓側と通路側に対角線上に座り、すぐ前は空けてあるので窮屈な思いはしないで済むよう配慮してくれている。頼んであったのは懐石御膳、それと北海道オリジナルのビール「サッポロクラシック」を別に注文した。
懐石御膳

注文した懐石御膳

食事は、サーモンや小鯛のお造り、蟹入り松前漬に牛肉彩り巻きなどの口変わり、蟹磯辺揚げなどの揚げ物、蟹味噌甲羅焼きなどの焼き物、煮物、いくらご飯、お吸い物、デザートといった内容である。懐石御膳は、食事が運ばれてくれば、あとはデザートを運んでくるまでウエイトレスはやってこないけれど、フランス料理のコースの場合は、たびたびディッシュをテーブルに運んでくる。
デザート

食後には和菓子とお茶がサービスされた

しかし、列車がかなり揺れるのでウエイトレスやウエイターの仕事は実に大変そうだった。何でも長万部から函館に近づくほど揺れが激しいとか。JR北海道の線路の保線のやりかたが問題となり、しばしば報道されたことがあったが、すぐには改善されないようだ。

その合間を縫って、ウエイトレスはテーブルを回って記念写真のシャッターを押したり、沿線の説明をしたりとサービス満点である。おもてなしがしっかりしている列車の旅は、やはり楽しい。

次ページは機関車交代の「儀式」、そしてシャワー室を体験

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