中国の長期的な成長は続く
スローダウンしたとは言っても、中国では7%超の経済成長が続く
これまでのGDP成長率が10%超えるような高成長期は、日本で言えばニクソンショックまでの第一次高度成長期にあたると思います(当時の日本もGDP成長率は9%以上でした)。しかし、日本もニクソンショック、プラザ合意を経て為替が急激な円高になると、これまでのような輸出主導の成長ができなくなり、内需に舵を切って、内需主導で第2次高度成長期(1973年~1990年)となったわけです。このとき、GDP成長率は平均で4.6%増に落ち込みましたが、それでも20年ほどでGDPは4倍となり、株価も10倍程度になっています(最後のバブルを差し引いても、1974年から1985年までに4倍弱になっている)。
前述のように、中国は日本の第2次成長期にあたるところに来ているのだと思います。GDP成長率はスローダウンし、これまでのような右肩上がりは望めないものの、長期的に緩やかな上昇が期待できるようになると思います。これだけ中国経済のスローダウンが報道されていますが、それでもGDPは7%以上のペースで成長しています。この長期的な成長の原資は一人当たりGDPの成長です。中国の一人当たりGDPは約6700ドルです。台湾や韓国の2万ドル超まででも3倍近くの成長余地があるわけで、これから長い時間をかけてその水準に成長していくと思われます。
今回のデモが収束すれば、H株指数は急反発する可能性
話しは少しずれましたが、現在のH株指数の下落の一番の原因は香港のデモという香港の特殊要因です。これに加え、米国株が一時的に調整していることも影響しています。しかし、H株指数はおそらく今回のデモの調整を乗り切れれば、急激に戻す可能性があります。もちろん、デモで中国と香港の関係が根本的に悪化するような事態につながれば別ですが、香港の世論調査では香港市民700万人の大半は、(経済界の多くの有力者たちを含めて)中国本土と対立することには反対しており、米国も関与に消極的なようですから、最終的にはなんらかの折り合いがあって、解決するのではないかと思います。従って現在、香港デモと米国株の調整により大きく香港株は下げていますが、これは良い買いのタイミングを提供する結果になるのではないかと思います。前述のように中国の長期的な成長シナリオはまだ終わっておりませんし、実際のところ、スローダウンしたとは言っても、7%以上で経済が成長しているからです。ちなみに、報道によると、テンプルトン エマージング マーケットグループの執行会長であり、新興国投資の第一人者としても有名なマークモビアス氏も「香港のデモは無視すべできはないが、中国企業の業績にはあまり悪影響を及ぼさないだろう」として「香港株は買いの好機」とコメントしています。
参考:中国株通信
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