ペンケースは結構大きくなってしまうの法則
このガイドサイトの記事でも何度も書いていますが、ペンケースというのは意外に大きいのです。特にペンを数本持ち歩くタイプのケースは、ペン自体の大きさに比べて、どうしても割合として大きくなってしまいます。ペン2本をポケットに差すのは普通に出来てますが、2本差しのペンケースを胸ポケットに入れて自然に見えるケースは滅多にありません。学生時代は使っていたペンケースを、大人になって使わなくなる人が多いのは、この「バラで持ってた方が邪魔にならない」という事だと思うのです。筆記具は、大量に持ち歩くか、数本だけ持ち歩くかに分かれるのが社会人だったりしますし、カバンの内側に2~3本用のペンループがついていたりするのも、手帳カバーにペンループが付いているのも、数本だけ持ち歩くというスタイルに対応するためなのでしょう。
ミニマムなペンケースを発想し続けるrethink
rethinkというブランドは、その「どうしても大きくなるペンケース」に挑戦し続けています。その一つの結論としての「Lim Pensleeve」は、筆記具を3本、これより小さくは収納できないのではないかというギリギリまでスペースを切り詰めて、ミニマムに作ったペンケース。ガイド納富は発売された当時から、既に5年以上、愛用していますが、未だに何の不満もなく使い続けています(それどころか、素材違いで2つのケースを使い分けているほどです)。そして、rethinkの新作ペンケースは、「Lim Pen Sheath Duo」。2本差しのペンケースで、多分、サイズそのものは「Lim Pensleeve」と同じくらいです。ただ、「Lim Pensleeve」は徹底してミニマムに作られた分、形状そのものが特殊で2本や1本差すのには余り向いていません。また、コロンとした形状になるのでポケットに入れるのには向いていません。一方、「Lim Pen Sheath Duo」は、2本差しなので平たく、胸ポケットやカバン、ポーチなどへの収まりが良いのが特長です。
そして、「Lim Pen Sheath Duo」の最も凄い所は、太さが違う2本、例えばペリカンの「スーベレーン800」のような中太軸の万年筆と、三菱鉛筆の「シグノRT1」のような細目の軸のペンを入れても、外観が崩れません。内部は仕切られていて、ペン同士がぶつからないようになっています。この仕切りはZ状になっていて、入れるペンの太さに応じて可変します。それで太さが違うペンをそれぞれしっかりホールドします。
太さも長さも違う2本の筆記具をスマートに収納する
この「Lim Pen Sheath Duo」はペンシース(蓋が無く、挿し込むだけのタイプのペンケース)の形状ですが、逆さにしてもペンが簡単には出てこない構造で、しかし両サイドを少し押さえると、スルリとペンが出てきます。また、この構造のため、クリップが無いペン、クリップに負担を掛けたくないペンにも対応します。この、太さが違い2本のペンを、負担をかけずにスマートに収納して持ち歩ける、というのが、実際に使っていると本当に便利なのです。例えば、ガイド納富の場合、持ち歩く最小限のセットとして、シヤチハタの印鑑付きボールペン「ネームペン・カーボネックス」と、メモ用の愛用ペン「シグノRT1」の2本は手放せないのですが、この極端に性質も価格も用途も違う2本だけをスマートに収納できます。ペン全体を覆う仕様なので、カーボン軸と透明樹脂軸が並んでいても外観では分かりにくいですし、必要な方を素早く撮り出すことも簡単です。
最近、良く入れているのは、シヤチハタの「カーボネックス」と、五十音の「ミミック・エボナイト」に、オプションパーツを付けて三菱鉛筆の「ジェットストリーム」のリフィルを入れたものの2本。この比較的太めの軸の2本がスマートに収納できて、このままポケットに入れられるので気に入っています。
この機能を実現しているのは、設計だけではなく、薄いけれど、しなやかで張りがある素材を使っているからでもあります。外側にイタリアの霧がかかったようなワックスと独特のシボ感が特徴的なナッパネビア、内側にはこれもイタリア産のベビーカーフを、それぞれ0.5mmから0.7mmに薄く削いで貼り合わせた後にしっかり圧着する「ベタ貼り」と呼ばれる手法で作られた素材だからこそ、このコンパクトで軽いペンケースが実現しています。
ガイド納富のこだわりチェック
「Lim Pen Sheath Duo」の外観は、これといった特長の無い、よくあるペンケースのように見えます。しかし、手に取ってみればすぐに分かるのですが、この手のひらにスッポリと収まるコンパクトさと、サイズバランスの良さ、スムーズに出し入れできるペンシースとしての出来の良さ、丁寧に磨かれたコバ(革の小口部分)の仕上げの見事さ、無駄の無いステッチなどなど、いちいちタダ者ではありません。それを、製作者の守川さんは、「理にかなった必然のかたち」と言います。必然だから奇を衒わず、しかし、よく見ると他には滅多に無いデザインになっているのです。普段持ち歩くペンを選ぶ場合、2本というのは選びやすいのです。例えば多機能ペンと万年筆、この2本で、ほとんどの筆記具がカバーできてしまいます。例えば油性ボールペンと水性ボールペン、これで多くの業務に対応できるでしょう。フリクションボールと油性ボールペンという選択もあれば、蛍光マーカーと油性ボールペン、万年筆と鉛筆、という組み合わせも意外に使えそうです。
こんな風に、3本よりもスムーズに、その時必要な2本は選びやすいと思うのです。3本選べる「Lim Pensleeve」は筆記具にこだわりたい時に、「Lim Pen Sheath Duo」は普段のビジネスや散歩にと使い分けることも出来そうです。
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