注目したい京都付近の車窓
緩やかに左へカーブして米原を過ぎ、田園地帯から都市近郊地域へと進む。しばし並走する近江鉄道は電車本数が少ないため、車両を目にすることは多くない。工場が目立つようになると大津のはずれを通り過ぎ、音羽山トンネルと東山トンネルを抜けると京都駅だ。京都を出ると左へカーブするが、右手には梅小路蒸気機関車館や操車場が見える。一瞬、煙をあげている蒸気機関車の雄姿が目に入ることもある。左手に桂川や木津川、宇治川が合流して淀川になる地点、右手には山崎の天王山が見えるあたりから阪急電車がしばらく並走する。
家並の続く中を次第にスピードを落とし、新幹線の車両基地には九州新幹線の車両も目に入る。やがて、列車はゆっくりと新大阪駅のホームに滑り込み、変化に富んだ東海道新幹線の旅を締めくくる。
開業50周年を迎えた東海道新幹線。たまにはこうして車窓に注目してみてはどうだろうか。今まで気づかなかった発見があり、楽しめること請け合いである。