カジノ解禁の目的は外貨獲得と外国人観光客の誘致
カジノ解禁の目的は大きくわけて3つある。1つは税収の増加だが、残る2つは外貨獲得と外国人旅行者の誘致だ。その2つを実現するため、外国人に対して魅力的なカジノにすることが参入企業に課せられる必須の条件となる。
外資系カジノの真の狙いは日本人の資産
ところが日本参入を目指す外資系カジノの中には、日本人の持つ莫大な資産を目当てにしていると公言するものも少なくない。つまり、日本人客をターゲットとし、日本人に金を使わせることが外資系カジノのホンネであることは否定できないのだ。
その姿勢は、日本政府が掲げるビジットジャパンの方針とは相容れないものだ。
カジノ解禁本来の目的を厳守させるための一手
今進められているカジノ解禁は、あくまで外国人誘致を主要な目的としているので、それを実現するためのノウハウを活用してくれることを前提に、運営母体を日本企業だけに制限はしていない。しかし外資カジノが、最初から日本人の金を狙っているとなれば話は別だ。利益を持って行かれた上に、その金の出所が日本人の財布となれば、日本経済にとっていいことはない。
そんなタイミングで打ち出されたのが、今回の「カジノは日本人利用禁止」(を働きかける)という厚労省の方針だ。
厚労省の放った「ブラフ」
出されたタイミング、そしてこの内容となれば、勘のいい人ならその意図に気づくだろう。厚労省のこの方針は、表向きはギャンブル依存症のことを言っているように見せかけながら、実は外資系カジノに向けての痛烈な「ブラフ」となっているのだ。
「ブラフ」とは、ポーカーで自分の手を読まれないよう、あるいは自分の手を誤って推測させるよう、相手の心理に揺さぶりをかける駆け引きの一つで、ハッタリのようなものだ。
この方針を打ち出したことで、日本版カジノに入札する外資系カジノ企業は、日本人ではなく、外国人観光客をどう呼び込むかを第一のポイントとした事業計画にせざるをえなくなる。
つまり、日本人への解放の是非を議論するまでもなく、あくまでビジットジャパンの役割を担うため、外国人客を対象とした計画を立てなくてはいけませんよと、厚労省が注文をつけた形となったのだ。
しかも方針の中では一言もその点には触れていない。