インテグラノッテグラ
「カッコインテグラ」というキャッチコピーと、当時人気絶頂だったバックトゥザフューチャーで有名な俳優、マイケルジェイフォックスを起用したCM。そして「インテグラノッテグラ」というキャッチコピーとブラッドピットを起用したCMが印象的な”車の”インテグラ。ターボがついていないNAのエンジンながら、吹け上がりの軽い元気なスポーツカーという印象が強く、とても人気のある車でした。しかし、実は初めてインテグラという名前が使われたのはバイクで、1982年にCBX400Fインテグラで初めて「インテグラ」という名前が採用され、その後フェアリングが標準装備のバイクの名前にしばらく使われていました。いずれにしろ、スポーティーな車両に使われていた”インテグラ”ですが、まさかビッグスクーターにインテグラという名前が採用されるとは驚きです。
ホンダがインテグラを開発した背景にはヨーロッパでも絶大な人気を誇るTMAXの存在が大きかったといえます。スポーティーなエンジン以外にも、一般的なスクーターの概念を覆す装備を纏ったTMAXは国内外で高い評価を得ており、オンリーワンの存在感を築いています。
排気量が530ccのTMAXと比べて、インテグラは750cc。排気量的にはワンランク上ですが、果たしてTMAXと比べると性能的にはどうなのか?今回もホンダの広報車をお借りして一週間通勤で使ったレポートをお届けします。なお今回お借りしたインテグラは車体カラーとホイールカラーを変更したS仕様となります。
無理矢理三兄弟に仕立てないほうがよかったのでは……
NC750X、NC750S、そして今回試乗レポートを紹介するインテグラは共通のエンジンを採用し、車体を構成するパーツの多くを共用している三兄弟です。スクーターの形をしているインテグラですが、スクーターの概念を覆す装備を多数纏った車両です。詳しく後述しますが、走行性能は、兄弟車両のNC750X、NC750Sと同じエンジン、フレーム、サスペンションなどが使われている為、高いレベルにあると言えます。しかしながら、スクーターの形をしているのに、兄弟車両2車種と比べても、積載スペースが少ないのは頂けません。他の二車種は通常の燃料タンク位置をダミータンクとして積載スペースにし、エンジンを出来るだけ前よりに配置することで、14Lの燃料タンクはシートの下に配置されています。しかしインテグラは燃料タンク位置は同じながら、スクーターのデザインにする為に、ダミータンクの積載スペースがなく、シート下の積載スペースは15Lしかありません。同社の250ccスクーターであるフォルツァSiのシート下容量が53Lであることを考えると、どれほど積載量が少ないかがわかると思います。
スクーターの大きな魅力の一つが積載量ですので、無理やり三兄弟に仕立てるのではなく、オリジナルの1台として発表して欲しかったというのが本音です。