鉄道/鉄道デビュー・開業情報

水戸岡鋭治の新デザイン観光列車「ろくもん」とは?(2ページ目)

第三セクターのしなの鉄道(軽井沢~上田~長野)に観光列車「ろくもん」が登場した。長野新幹線開業に伴い第三セクター化された信越本線の一部区間は、しなの鉄道になって以来、地域輸送に専念し、地味な感が否めなかったが、ようやく観光列車をつくり、沿線の活性化に取り組み始めた。車両をデザインしたのは、JR九州の観光列車プロデュースで一躍有名になった水戸岡鋭治氏。どんなサプライズがあるのか試乗してみた。

野田 隆

執筆者:野田 隆

鉄道ガイド

フレンチを食べながらの「ろくもん1号」の旅

「ろくもん」は、軽井沢10時41分発、長野12時59分着の1号、長野13時25分発、軽井沢15時41分着の2号、軽井沢15時57分発、長野17時38分着の3号というように運転日には1日1往復半する。3号は食事付きプランはなく、1号と2号では食事メニューが異なる。片道だけでも満腹となるが、もしも往復で食事を楽しむとしても飽きることがないプランとなっている。
パン、ムース、それに地ビール

パン、ムース、それに地ビール

軽井沢から乗りこむと、テーブル席には、すでにパンと豆乳・ムースが用意されていて、着席するとアテンダントさんがドリンクの注文を取りに来る。軽井沢ビールや沿線の地酒、小布施のリンゴジュースなど長野県産にこだわったラインナップに地元の香りが漂う。
浅間山を眺めながらの食事

浅間山を眺めながらの食事

ランチ・コースの全容

ランチ・コースの全容

列車は発車すると、中軽井沢、信濃追分と西に向かって進み、まもなく車窓右手には浅間山が姿を見せる。オードブルが配られる頃で、列車はスピードを落として浅間山の絶景を堪能できるよう配慮してくれる。軽井沢発ということで、1号の食事はカジュアルなフレンチ。軽井沢の森の中のレストラン「こどう」と小諸近くの東御市にある「アトリエ・ド・フロマージュ」が提供するメニューだ。
古風な田中駅で小休止

古風な田中駅で小休止

「ろくもん」は急ぐ必要がない列車なので、いくつかの駅でゆっくり停車する。小諸に10分少々停車した後は、田中に30分近く停車してあとからやってくる普通列車に抜かれる。田中は江戸時代の宿場の風情が残る海野宿が近いこともあって、古風な駅舎である。食事をちょっと中断して、駅前を散策するのも楽しい。
歓迎風景

しなの鉄道本社前通過時の歓迎風景

長野新幹線の駅がある上田は、しなの鉄道の本社があるところだ。上田到着前に「ろくもん」が社屋前を通過すると、社員が手を振って歓迎してくれた。
コーヒーとデザート

締めくくりはコーヒーとデザート

上田、戸倉で10分近く停車しつつ進んで行くうちに、食事はデザートまですすみ、ようやく終わりとなる。長野まで2時間20分程の食事をしながらの旅。各駅停車でも1時間40分近くなので、「ろくもん」はゆったりした道中だ。
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