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W杯後の日本人注目タレントは彼ら!<海外編>

世界のサッカー界は、すでにW杯後の局面に突入している。コロンビアのハメス・ロドリゲスら、ブラジルで輝いた選手の移籍が報道されるなかで、ヨーロッパへ活躍の舞台を移した日本人選手もいる。ヨーロッパのなかで新天地を求めた選手、復活を期す選手も少なくない。日本代表のハビエル・アギーレ新監督も注目するであろうタレントを、2回シリーズで紹介していこう。

戸塚 啓

執筆者:戸塚 啓

日本代表・Jリーグガイド

スイスでアピールする柿谷と久保

世界のサッカー界は、すでにW杯後の局面に突入している。海外で活躍する注目の日本人タレントを紹介しよう。

世界のサッカー界は、すでにW杯後の局面に突入している。海外で活躍する注目の日本人タレントを紹介しよう。

ブラジル・ワールドカップのメンバーでは、柿谷曜一朗(24歳)が“海外組”に加わった。セレッソ大阪からスイス1部リーグのバーゼルへ移籍したのである。

10チームで構成されるスイス1部リーグで、バーゼルは5連覇を果たしている強豪だ。ヨーロッパの一流クラブが集うUEFA(ウエファ・欧州連盟)チャンピオンズリーグ(以下CL)の本戦出場も決まっている。

ちなみに、内田篤人(26歳)が在籍するシャルケ(ドイツ)も、すでにCLの本戦出場権を得ている。また、川島永嗣(31歳)が所属するスタンダール・リエージュ(ベルギー)は、本戦出場をかけた予選に参加している。

話題を柿谷に戻そう。

スイス屈指の名門として名高いバーゼルだが、世界的名手が集うクラブではない。イングランドなどのビッグクラブ移籍に野心を燃やす若手や中堅が、チームの核となっている。もちろん、柿谷にとってのバーゼル移籍も通過点に過ぎない。ヨーロッパへの入り口としては、悪くないクラブと言えるだろう。

果たしてどれぐらいの活躍を見せれば、ステップアップを勝ち取れるのか? 強豪クラブの興味をひくことができるのか?

分かりやすいのはCLでの活躍だ。イングランド、ドイツ、スペイン、イタリアなどの強豪相手にゴールを決めれば、注目度は一気に高まる。そのうえで、リーグ戦で2ケタ得点をマークすれば、ステップアップの道が開けるだろう。

2シーズン目を迎えた注目株

スイス1部リーグでは、昨シーズンからプレーしている日本人選手もいる。久保裕也(20歳)だ。

京都サンガに在籍していた2012年2月、日本代表に選出されて話題を集めた新鋭である。本田圭佑(28歳)や香川真司(25歳)と同じく、中盤の攻撃的なポジションで力を発揮するタイプだ。

昨シーズンは途中出場が少なくなかったものの、リーグ戦34試合出場で7ゴールをマークした。これはチーム2位タイの数字だ。今シーズンは開幕から2試合連続でスタメンに名を連ね、すでに2ゴールをあげている。スイス発のニュースは柿谷に集まりがちだが、久保の名前もぜひ憶えておいてほしい。

日本屈指のドリブラーがドイツへ

日本人選手が数多くプレーするドイツ・ブンデスリーガには、新シーズンから原口元気(23歳)が加わった。アルベルト・ザッケローニ前監督のもとで日本代表に招集され、浦和レッズの攻撃を担ってきたドリブラーは、細貝萌(28歳)のいるヘルタ・ベルリンの一員となった。

原口は攻撃的なポジションを柔軟にこなすタイプで、クラブ側も彼の加入で戦術的多様性が広がると期待する。浦和レッズのチームメイトだった細貝の存在は、チームメイトとのコミュニケーションやチーム戦術の理解などの手助けになるだろう。

ブンデスリーガ2部からの飛躍を期すのは、カールスルーエに入団した山田大記(25歳)だ。昨年7月の東アジアカップで日本代表デビューを飾ったこの攻撃的ミッドフィールダーは、下部組織からつながりの深いJ2のジュビロ磐田を離れ、ドイツへ新天地を求めた。

ドイツ国内で移籍を決断したのは、長谷部誠(30歳)と清武弘嗣(24歳)だ。所属していたニュルンベルクの2部降格に伴い、長谷部はフランクフルトの、清武はハノーファーの一員となった。長谷部は乾貴士(26歳)と、清武は酒井宏樹(24歳)とともに、クラブの上位進出へ力を注ぐことになる。

日本人に鬼門のスペインリーグに挑むハーフナー

戦いのステージをヨーロッパの異なる国へ求めたのは、ハーフナー・マイク(27歳)である。2012年1月からプレーしたフィテッセ(オランダ)を離れ、スペイン・リーガエスパニョーラのコルドバと契約を結んだのだ。

レアル・マドリードとバルセロナが牽引するリーガエスパニョーラでは、城彰二、西澤明訓(いずれに引退)、大久保嘉人(32歳・現川崎フロンターレ)、中村俊輔(36歳・現横浜F・マリノス)、家長昭博(28歳・現大宮アルディージャ)らがプレーしてきた。全員が日本代表経験を持つ。だが、成功と呼べる成績を残した選手はいない。

1971-72シーズン以来の1部昇格となるコルドバは、典型的な地方クラブだ。監督のアルベルト・フェレールはかつてのスペイン代表選手だが、ビッグネームはひとりもいない。それなりに名が通っているのは、元レアル・マドリードのラウール・ブラボ(33歳)くらいだ。

リーガエスパニョーラでのコルドバは、攻める時間より守る時間が長い。攻撃陣は少ないチャンスを得点へ結び付けなければならない。センターフォワードのハーフナー・マイクには厳しい環境だが、逆説すれば注目を浴びるチャンスでもある。持ち前の高さを生かして得点ランキングに名を連ね、彼自身はもちろん日本人選手の評価を高めてほしいところだ。

スペインの隣国ポルトガルでは、田中順也(27歳)が新たな一歩を踏み出した。柏レイソルで活躍してきたストライカーは、クリスティアーノ・ロナウドを輩出したスポルティング・リスボンと5年契約を結んだのだ。

同国3強のひとつに数えられるスポルティングは、欧州最高峰の舞台であるCL出場が決まっている。伸び盛りの若手が多いチームで、田中には中心的存在として活躍してほしい。パンチ力のある左足シュートは、ヨーロッパでも十分に通用するだろう。

日本代表のアギーレ新監督は、現在進行形の実績を重視するタイプだ。ブラジルW杯出場を逃した選手たちを交えて、横一線からの競争が幕を開ける。
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