背景ボケはレンズの絞りでコントロール
レンズに表記された開放値の値。このズームレンズの場合、F2.8から3.5が開放値という意味。このようなズームレンズではズーム域により開放値が変化する。
背景ボケは、被写体の前後のピントを合わせずにボケ味を意図的に作るという手法です。オート撮影でたまたま背景ボケの写真が撮れるということもありますが、自分でコントロールして撮る方法を身につければ自由自在に背景ボケを作ることができます。
背景ボケを作るには、レンズの絞り値を調整します。絞り値はF値とよばれる値で表記され、F4などと書き表します。
絞りはピントの合う幅をコントロールできます。それぞれのレンズの最も絞りを開いた状態を開放値と呼び、各レンズの開放値はレンズに表記されています。まずは自分が使っているレンズの開放値を確認してみましょう。
ズームレンズでは「2.8-3.5」というように幅を持たせて開放値が表記されていることがあります。これはズーム域によって開放値が表記された範囲で変化するという意味になります。ズームレンズの特性上、こういった機種もあります。
この開放値の状態では、最もピントの合う幅が狭くなります。つまり、開放値で撮影すると背景のボケ具合も最も大きくなるということです。
最も数字の小さい開放値からF値の数字を大きくしていくにつれ、ピントの合う幅も広くなり、開放値で撮った時のぼやけていた背景もはっきりと見えてくるように写ります。
背景のボケ具合は、このF値でコントロールできるというわけです。
絞り優先モードだと背景ボケが撮りやすい
Avと表記された絞り優先の撮影モード。Aと表記されている機種もある。
F値をコントロールして撮る方法には、絞り優先モードを使います。
絞り優先モードとは、絞りのF値を選んで設定するとその絞り値に合わせたシャッタースピードはオート設定でカメラが算出し、撮影が出来るというモードです。「Aモード」や「Avモード」などと表記されています。
背景ボケを作るときには、絞り優先モードに設定して撮影します。絞り優先モードに設定しましたら、F値を選択します。ボケ具合を最も大きく表現したいのであれば、開放値に設定。反対に背景にもピントを合わせたい時はF値を絞り込みます。
では、実際にF値を変えて撮影した画像を次のページでご覧ください。