ナッツという食材の応用の幅広さと味付けに対する懐の深さ
例えばアーモンドは、薄くスライスしたものがパウンドケーキの上に乗っていたり、アーモンドチョコレートの中に入っていたりする一方で、チーズと共に代表的な洋酒の供だったりもします。子供の頃、父親がつまんでいるピーナッツから自分がパンにつけて食べるピーナッツバターが出来ているとは、中々信じられませんでした。衝撃的だったのは、初めて中華料理屋で見た鶏肉とカシューナッツの炒め。まさか、ナッツを加熱して食べるなんて、と、驚きつつ、その後のガイド納富は、今に至るまで、中華料理屋に行くと、ほぼ毎回、鶏肉とカシューナッツの炒めを注文するようになったのですが。ナッツに何らかのコーティングを施す、いわゆるフレーバーナッツとの最初の出会いは、カレー味のピーナッツだったでしょうか。バーで突き出しに粉チーズをまぶしたアーモンドが出たときも驚きました。その後、羽海野チカの漫画『ハチミツとクローバー』でも、とてもおいしそうに描かれる「ハニーローストピーナッツ」で、甘いナッツのおいしさに目覚めたりもしつつ、一方で、クルミの佃煮のおかずっぽさにも惹かれていて、要するに、ナッツは基本おいしいというか、様々なスタイルで食べられるというか、良く出来た食材だなあと思うのです(ガイド納富がナッツ好きだというだけのことかも知れませんが)。
老舗の信用に裏打ちされた高級フレーバーナッツ
Squirrel Brandの「ジ・アルティメットナッツ」は、老舗のナッツメーカーによる、フレーバーナッツの高級ライン。実際のところ、ナッツそのものは、いくら吟味したところで、そんなに高価になるものではないので、高級ラインがフレーバーナッツになるのは当然でしょう。その場合、ナッツそのものの品質に定評がある老舗メーカーが作っている、というのは安心です。高級ライン専門のブランドが唐突に現れるというのは、食品の世界だけでなく、雑貨や革小物などの業界でもありがちですが、その場合、実際の品質を見極めるのが面倒と言うか、どこか安っぽさが漂いがちですから、その辺を疑わずに済むのは助かります。実際、今回、4つの種類のフレーバーナッツを試食したのですが、どれも、ナッツ自体の粒が揃っていることに感心しました。ナッツは、それがアーモンドでもピスタチオでもカシューナッツでもピーカンナッツでも、個体差というか、粒単位では時々、脂分が足りない感じのものや、筋張った歯ごたえのもの、ちょっと酸味があるモノなど、「おいしい」とは言い難い粒が混ざっていることが多いというより、普通だったりするのですが、この「ジ・アルティメットナッツ」のシリーズには、1粒も、そういう、いわゆる「ハズレ」の粒がありませんでした。このあたりが、信頼の老舗ブランド、という事かと思いました。120年以上、アメリカで親しまれているメーカと言うだけのことはあります。
「ジ・アルティメットナッツ ブラックトリュフアーモンド」
今回試食したのは、「ブラックトリュフアーモンド」「クレームブリュレアーモンド」「カフェ キャラメルペカン」「アルチザンペッパーコーンカシューナッツ」の4種類。まずは、開けた途端に、どれだけトリュフが入ってるんだ、というくらい濃厚にトリュフの香りが漂う「ブラックトリュフアーモンド」から。「世界的に名高いカルフォルニア産の上質なアーモンドと、北イタリア・ピエモント州産のひとつひとつ手で収穫され自然乾燥したブラックトリュフと海塩で作った『トリュフソルト』の組み合わせ」とカタログに書かれている、このブランドでも代表的な人気商品だそうです。まず、トリュフの濃厚な香りの向こうに感じるのが、アーモンドそのもののおいしさ。こっくりとしたナッツのコクと、ほんのりとした甘味が感じられました。フレーバー部分は、やや塩気が強いように感じましたが、そのくらいの塩味が無いと全体が負けてしまうくらいトリュフの香りが強いので、バランスとしてはこれで良いのでしょう。食べ続けていると、その塩気も、塩自体がおいしいせいか、ちょっとクセになります。これは、褒めているのですが、ナッツのコクも含め、濃い味わいなので、10粒も食べると、その場では十分満足してしまいます。また、しばらくしたら食べたくなるのですが、その満足度の高さは、これまでに感じたことが無いものでした。
「ジ・アルティメットナッツ クレームブリュレアーモンド」
Squirrel Brand「ジ・アルティメットナッツ クレームブリュレアーモンド 18oz(約510g)」4212円(税込)、「ジ・アルティメットナッツ クレームブリュレアーモンド 5oz(約142g)」1620円(税込)
クリームブリュレのフレーバーというもの自体、日本人のガイド納富には珍しく、ハニーローストピーナッツ的なものを想像していたのですが、方向は全く違いました。ハチミツや砂糖の甘さというより、もっとミルクの甘さなのです。そして、ナッツのロースト時についたのか、アーモンド自体に塩からさがあって、それがミルクの甘味を際立てます。あと、不思議と日本茶に合うのが面白いと思いました。ミルクと日本茶は合うので、そのせいかも知れません。
「ジ・アルティメットナッツ カフェ キャラメルペカン」
Squirrel Brand「ジ・アルティメットナッツ カフェ キャラメルペカン 18oz(約510g)」5292円(税込)、「ジ・アルティメットナッツ カフェ キャラメルペカン 5oz(約142g)」2052円(税込)
キャラメルコーティングのクルミ風味というのも、昔のお菓子には結構よくあって、その凄くおいしい奴、という感じでした。コーヒーの風味が確かに大人っぽくて、甘いけれど、酒のつまみにもなる感じなのです。しかも、たっぷりと飴掛けされているような風味なのに、サクサクと食べられて、その口当たりが心地よいのです。クルミほどには脂分がないせいか、一粒が大きい割に、どんどん食べられました。
「ジ・アルティメットナッツ アルチザンペッパーコーンカシューナッツ」
Squirrel Brand「ジ・アルティメットナッツ アルチザンペッパーコーンカシューナッツ 18oz(約510g)」5292円(税込)、「ジ・アルティメットナッツ アルチザンペッパーコーンカシューナッツ 5oz(約142g)」2052円(税込)
始めに強火で風味を閉じこめ、その後ゆっくりとミディアムレアに焼き上げるという「アルチザンペッパーコーンカシューナッツ」の贅沢な製法が、焼き立ての味を保つのかも知れません。シンプルな味付けだからか、何とも、お酒が進む味で、しかも、お酒を選びません。ナッツを食べながら酒を飲むのはいいなあ、と思わせてくれるナッツなのです。
ガイド納富の「こだわりチェック」
今回、ジ・アルティメットナッツのシリーズを試食するに当たって使った容器は、SHIROKANEの「りすのナッツプール」。ナッツを食べるための専用の木の器です。ナッツは、このジ・アルティメットナッツに限らず、食べ始めると中々止められない危険な食べ物でもあって、だから、袋や缶から直接食べるのは避けたいところ。でも、ちょうどいい器は少ないのです。平たい皿だと取りにくいし、深い皿だと一度に取る量のコントロールが難しい。大きな皿だと缶ごと食べるのと変わらないし、小さ過ぎると物足りない。そのあたりが、この「りすのナッツプール」は絶妙でした。もちろん、量に関しては、異議もあるとは思うのですが、食べ過ぎない、という意味では、丁度良いと思うのです。何度も缶から皿に移す作業が、自然と食べる量のストッパーになったりもして。ナッツプールという名前は、遊園地などにある遊具のボールプールから来ているそうで、真ん中のリスがナッツのプールに溺れてる感じなんですね。このリスが、ナッツを取る時の皿の中でのストッパーになって、ナッツの取りやすさに繋がっている上に、大量に一気に取ることをも防ぐと言う、ナッツ専用皿という名称は伊達ではないところを見せてくれます。シリーズに「くまのナッツプール」もあるのですが、相手がナッツですから、ガイド納富はりす推しですね(笑)。最近、個人的にハマっている、「亀田の柿の種スパイシーカレー」(夏季限定商品)を入れるのにも最高です。
ジ・アルティメットナッツのシリーズは、確かに高価で、気軽に食べるのは難しいような気がしていたのですが、例えば、今回紹介した中で一番高いアルチザンペッパーコーンが約510gで5292円。ざっと100gで1000円なんですね。普通に売られているカシューナッツのフレーバー製品は、100gで大体350円前後ですから、約3倍。で、この濃厚さは、他のナッツの三分の一くらいの量で十分満足できますから(1度に食べる量・当社比)、ちょっと贅沢、という程度で済むと思われます。試してみて損はないと思うのですよ、ナッツ好きとしては。ギフトなんかで貰えたら、もう大喜びですね。