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レ軍・上原がメジャー通算50Sで米球宴に初選出へ

レッドソックスの上原浩治投手がメジャー通算50セーブを達成。現地時間7月15日に行われる米球宴(ミネアポリス)に初選出される可能性も高まってきた。

瀬戸口 仁

執筆者:瀬戸口 仁

野球・メジャーリーグガイド

“守護神”として最高の条件を兼ね備える上原、球宴もほぼ当確

日本人投手のメジャー通算50セーブ達成は、佐々木主浩、斎藤隆に続いて3人目となる。

日本人投手のメジャー通算50セーブ達成は、佐々木主浩、斎藤隆に続いて3人目となる。

レッドソックスの上原浩治投手(39)が6月16日(日本時間17日)、本拠地ボストンのフェンウェイ・パークで行われたツインズ戦で今季15セーブ目を挙げ、日本人選手3人目となるメジャー通算50セーブを達成した。

1対0の九回に登板。3日連続のマウンドとなった上原だが、首位打者3度の主砲マウアーをスプリットで左飛、4番・ウィリンハムをフルカウントからスプリットで三ゴロに打ち取り、最後はモラレスを4球連続スプリットで中直に仕留め、12球で試合を締めくくった。

これで5月3日(同4日)のアスレチックス戦から20試合、21イニング連続無失点を記録し、防御率は0.57、三振は42個を数える。それどころではない。昨年6月下旬にクローザー(抑え)に指名された上原は、7月9日(同10日)以降、ポストシーズンを含めてセーブの付く場面で1度も失敗をしていないのだ。まさに“守護神”の名にふさわしい活躍である。

この日のセーブはリーグ5位となる15セーブ目で、加えてメジャー通算50セーブを達成。日本人投手では2000年から2003年までマリナーズに在籍した佐々木主浩がメジャー通算129セーブを記録、現・楽天の斎藤隆がドジャースなどの7シーズンで通算84セーブをマークしていて、上原は3人目の快挙となる。しかし、本人は「何の節目にもならない。500ぐらいになれば、節目になると思う。そんなしょぼい記録はどうでもいい」と個人記録に見向きもしないが、セーブ成功率(セーブ成功÷セーブ機会)は89.3%で、他の2人(佐々木が85.4%、斎藤が84%)よりはるかに高いことは、動かし難い事実である。

この現状を踏まえ、楽しみなことが増えた。そのひとつが7月15日(同16日)に行われる米球宴(ミネアポリス)に初選出される可能性が高まったことだ。球宴選出は、投手の場合、日本とは違ってファン投票ではなく、選手、監督、コーチによる投票か両リーグ球宴監督の推薦で決まる。今年、ア・リーグを率いるのは、上原に絶対的な信頼を寄せるレ軍・ファレル監督であり、その指揮官が「言うまでもないことだが、オールスターにふさわしい」と明言していることから“当確”とみていいだろう。

上原のいいところは、まず初球からストライクを取りに行き、取れることだ。メジャーリーグでは初球からストライクを取れる投手がいい投手であり、どんな投手に対しても求められている。次にテークバックした腕がひじょうに早くトップの位置に収まること。これだと打者はタイミングを取ることが難しい。そして、最も重要な武器は、ストレートとスプリットの腕の振りが全く同じであることだ。短いイニングならまず打たれない。この3点は“守護神”として最高の条件かもしれない。今後、タイトル争いも含め、目が離せない存在となった。
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