写真撮影/風景・夜景を撮る

「美しさだけに感動」していると風景は上手く撮れない

「どうすれば写真が上手くなるのか?」と、質問されることがあります。現代のデジタルカメラはシャッターを押せば写るようにできていて、それほどむずかしい難しいテクニックを必要としません。本を読んでテクニックを一生懸命勉強するよりも撮りながら感覚を磨くべきで、それができれば撮れているも同然 と私は答えています。風景写真をうまく撮るコツもそれほど難しくはありません。

小川 義文

執筆者:小川 義文

車・写真撮影ガイド

偶然は期待できない。事前にネットで自然条件をリサーチ

スペインのマヨルカ島の北西部から撮影した、黄昏時の地中海

スペインのマヨルカ島の北西部から撮影した、黄昏時の地中海


4月にスペインのマヨルカ島の北西部から撮影した黄昏時の地中海です。私の周りにいた観光客たちは太陽が地平線に沈む直前を撮影していましたが、私は太陽が沈みきって見えなくなった瞬間を狙っていました。その時が来ると、地中海はコバルトブルーに染まり印象派の絵画を思わせる風景が現出することを知っていたからです。

この写真はミラーレスカメラで撮影しました。最近はプライベートではミラーレスばかりですね。私が見ても画質はデジタル一眼にひけをとらないですし、なにしろコンパクトなのがいい。薄暗くなったのでISO を800 に上げてシャッターを押しました。

はじめて行った場所で良い作品が撮れることはごく稀です。偶然、光の状態が情緒的で独自な輝きになったり、風景の美しさに助けられたりする以外は、なかなかうまくいくものではありません。行きあたりばったりの訪問者の眼では、風景の表面的なものしか見えてこないのです。

事前にネットなどで、その場所の地勢や気象などの自然条件をリサーチするといいですね。撮影スポットを見つけるきっかけにもなるはずですし、想像力を膨らませる作業にもなります。感動的な風景写真は、自然に対する理解が必要になります。“美しさだけに感動”して撮影していると、独自の視線が失われてしまうことになりますから。



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