世界を魅了するイタリアンレッドに包まれた
官能的なモーターサイクルメーカー
フェラーリ、ランボルギーニ、アルファロメオなど、世界を魅了する工業製品を輩出する国、イタリア。何事においてもデザインを重視するお国柄はご存知のとおりで、女性の肢体をほうふつさせるスタイリングは実に艶やか。そんなイタリアを代表するモーターサイクルメーカーのひとつが、このドゥカティなのです。ラジオメーカーとして1926年に創業、モーターサイクルを手がけるようになったのは第二次大戦後間もない頃だそう。日本と同盟国だったイタリアも敗戦後、“新しいイタリア”を築こうと立ち上がったときですから、それを思うと新生イタリアを代表する新事業が誕生した瞬間でもあったのでしょう。着実に成長していったドゥカティはバイクのレースシーンにも参戦、数々の輝かしい戦績をおさめていきます。2007年には日本メーカーの独壇場となりつつあった世界最高峰のモーターサイクルレース MotoGPにて年間チャンピオンの座に輝き、“速くて美しいモーターサイクル”というブランドを確固たるものとしています。
デザインを優先する伝統は今も変わらず
そこに進化を組み合わせるセンスは一級品
90年近い歴史を持つドゥカティはさまざまな試行錯誤を繰り返しながら進化し続けてきたわけですが、現代のドゥカティのラインナップを支えるのは“Lツインエンジン”と呼ばれるV型2気筒エンジンです。そのエンジンの設置方法から、V型エンジンが“L”のように見えることがその由来ですが、その独特の鼓動とサウンドに魅了されるファンは少なくありません。そのスタイリングを見ればお分かりいただけるかと思いますが、ドゥカティは新型モデルを開発する際、必ず重視するのが『デザイン』なのです。ほとんどのメーカーと同じく、開発の第一歩としてデザイナーが“こんなバイクをつくろう”というスケッチをおこします。そこから具体的な開発が進むわけですが、その過程で「これはさすがに無理だ」、「ここは合理的にまとめるため、こうしよう」と、いくつもの変更点が発生するのです。しかしドゥカティの場合、完成したモデルは最初のスケッチとまったく同じデザインで仕上げられるのです。最初のインスピレーションを重視し、その美しいスタイルに近づける努力を惜しまないドゥカティの哲学がこうしたところからもお分かりいただけるかと思います。
かつてドゥカティと言えば“速い”“じゃじゃ馬”というイメージが強かったのですが、今回発表された新型モデル モンスター1200を含むモンスターシリーズ、そしてデビュー以来高い人気を誇るディアベルシリーズなど、アーバンスタイルを重視したモデルの注目度がアップしてきており、その美しいデザイン性もあいまって、若いライダーも増えてきつつあるとか。モーターサイクル本来のスポーティな性能を高めつつ、街を彩るファッション性という面をも重視するイタリアン モーターサイクルメーカー ドゥカティ。それでは先日催されたドゥカティのプレスカンファレンスの模様をお届けしましょう。