資産運用/投資初心者にもできるカンタン資産運用法

なぜ国際分散投資を行う必要があるのか(2ページ目)

2014年度に入り2ヶ月強が経過しましたが、アベノミクス相場が始まって以来、初めて日経平均株価が1年前の水準を下回り、NISAにも水を差すことになってしまいました。為替も円安の勢いがなくなり、また預貯金金利が低い状態が続いていることから、資産運用を取り巻く環境はまさに八方塞がりの状況です。資産運用の基本に立ち返り、改めて国際分散投資について解説します。

深野 康彦

執筆者:深野 康彦

お金の悩みに答えるマネープランクリニックガイド

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ポートフォリオA、B共に運用収益は2年連続してプラスになり順調に資産額を増やしていますが、3年目はマイナスとなってしまいした。ポートフォリオAは、2年間で当初の元本100万円を132万円まで増やしましたが、3年目の収益率がマイナス20%であったことから、当初の元本だけではなく増やした32万円部分も20%減少させてしまったのです。

これに対してポートフォリオBは、1年毎の収益状況は同じですが、その収益率はポートフォリオAより小さいことから、資産額の増え方も減少の仕方も穏やか(振れ幅が小さい)で済んでいるのです。この収益の振れ幅を穏やかにすることが複利効果を高めて行くのですが、それを資産運用で実現するためには「国際分散投資」が必要になるのです。

性格の異なる資産クラスを組み合わせること

国際分散投資を行うことは、何も難しいことではありません。性格の異なる資産クラスを組み合わせて保有することが基本になるのです。先のリーマンショック後に国際分散投資の効果に疑問が持たれましたが、性格の異なる資産クラスにきちんと分散が行われていれば、行われていないポートフォリオよりも価格変動の振れ幅は小さかったのです。

収益率こそ低位に甘んじていますが、リーマンショックが起こった2008年の年間収益率が唯一プラスであったのは国内債券(野村BPI総合ベース)です。株式市場が堅調に推移しているときには、収益が低すぎるので保有しなくても良いと過信してしまいがちですが、イザ急落に直面すると国内債券が上昇することから一転して保有していてよかったとなるわけです。

資産運用を取り巻く環境に応じて適宜運用スタイルを変えるのではなく、いつの時代でも国際分散投資をきちっと行うことが資産を形成して行く王道なのです。次回からは、分散投資の方法を解説していきます。

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