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衝撃の問題児 ストリート750が日本上陸!

2013年11月、イタリア・ミラノで開催されたモーターサイクルショーにて発表されたハーレーの禁断モデル ストリート750が日本に上陸!

田中 宏亮

執筆者:田中 宏亮

バイクガイド

話題の問題作がついに日本上陸!

話題の問題作 ストリート750

話題の問題作 ストリート750


>> ストリート750 試乗インプレッションを読む

>> ストリート750の販売価格が決定!

2013年11月、イタリア・ミラノで開催された世界最大のモーターサイクルショー EICMA(エイクマ)にて、ハーレーダビッドソンが“次世代型ストリートモデル”として発表した最新モデル『ストリート750』。以降、「日本導入はいつだ?」とさまざまな噂が飛び交っていましたが、日本最大級のハーレーイベント『ブルースカイヘブン』への展示と日本導入時期の発表という一報とともに、ついに日本上陸を果たしました。

ストリート750 左側からのビュー

ストリート750 左側からのビュー

ハーレーダビッドソンといえば、ロングツーリング用の装備が充実した大型ツアラーやホイールベースが長いチョッパーモデル、太いタイヤが“らしさ”を醸し出すクルーザーモデルといったビッグバイクが中軸を担ってきましたが、この『ストリート』は主に街中を走って楽しむ、文字どおりコンパクトなストリートモデル。若年層のライフスタイルにターゲットを絞ったハーレーダビッドソンの新しい試みと言えるモーターサイクルです。
新型の水冷エンジン『レボリューションX』

新型の水冷エンジン『レボリューションX』

最大の特徴は、新型の水冷エンジン『レボリューションX』を搭載していること。ハーレーといえば「ドッドッド!」という独特の鼓動感が魅力の空冷エンジンがそのアイデンティティでしたが、昨今の環境問題や若者のライフスタイルの変化を鑑みた結果、世界的にも代表的なモーターサイクルメーカーとして、新たな挑戦に踏み切ったというところでしょう。実はハーレーにはVロッド ファミリーという水冷エンジンモデル群がすでに存在するのですが、スタイリングこそ特徴的なれど、絶対的な人気を得るには至っていません。ハーレーと水冷エンジン、この相性の悪さをどう解消していくのか、ストリートに求められる課題のひとつといえるでしょう。

ハーレー唯一のカフェレーサーモデル XLCR

ハーレー唯一のカフェレーサーモデル XLCR

この新型モデル ストリート750は、ハーレーが過去に一度だけ手がけたストリートモデル XLCRからヒントを得たモデル。1930年代イギリスの若いライダーのあいだでブームとなった“カフェレーサー”(カフェからカフェへ、バイクでストリートレースを楽しんだ若いライダーのモーターサイクルスタイル)をイメージしているもので、近年ヨーロッパやアメリカでこのカスタムスタイルがブームとなっていることから、そうした市場の動向をリサーチして手がけられたものだということですね。

ストリート750のフロントビュー/リアビュー

ストリート750のフロントビュー/リアビュー

また、このストリート750の生産工場はインドといわれています。現在、経済的に高い注目を集めるインドや中国へのアプローチがしやすいこと、それらの国々はもちろんヨーロッパや日本へ持ち込むコストを抑えられることなど、さまざまなメリットを考慮した結果と見られています。一方で、メイド イン U.S.A.がブランドの源であったハーレーダビッドソンにとってこの試みがどんな影響をおよぼすのか、違った注目を集めてもいるのです。

キモは日本での販売価格か

身長174cmの私がまたがった際の足着き

身長174cmの私がまたがった際の足着き

今回の日本上陸では、主に展示と一部の方々(関係者および一部の幸運な一般ユーザー)だけに許された試乗ということで、私も試乗することはできませんでしたが、こうしてまたがることは許可していただけました。ご覧のとおり、ヒザにゆとりをもたせた状態でペッタリ足が踵まで着きます。160cm未満の女性だと踵が浮きますが、それでも不安になるようなレベルではないそう。バイクそのものの高さは設けられているので、信号や急な曲がり角など街中で想定されるシーンにおいても、軽やかにクリアしてくれることは想像に難くありません。

ハーレーに乗るスポーツライター松原 渓さんも好感触のよう

ハーレーに乗るスポーツライター松原 渓さんも好感触のよう

このブルースカイヘブンにゲストとして来られていた“ハーレーに乗るスポーツライター”松原 渓さんも、展示されていたストリート750にまたがられたのですが、普段乗っているFXDL ダイナ・ローライダーと比べても「すごく取り回しやすそう。乗ったらもっと楽しいかも」との感想を述べてくれました。車高こそやや高めに見えますが、ストリート仕様とされるだけあってポジションがコンパクトなので、小柄な女性が乗ってみても大型クルーザーで感じるような「私に取り回せるかな」といった不安は生まれないようです。
実際に試乗されたエクストリームバイクのプロライダー 木下真輔さん

実際に試乗されたエクストリームバイクのプロライダー 木下真輔さん

また、今回のイベントで実際にストリート750に試乗し、ウィリーなどアクロバティックなアクションに挑まれたエクストリームバイクのプロライダー 木下真輔さんに感想を伺ったところ、「すごく軽いですね。分かりやすくいえば、国産アメリカンに近い感じ。乗ってて楽しいですよ!」とのこと。スポーツという名を冠していても重量が250キロオーバーのスポーツスターでウィリー旋回やジャックナイフなんかをやっちゃう木下さんの“軽い”はかなりの軽快さを指し示しているはず。あまり軽量化ということを重視してこなかったハーレーダビッドソンの歴史を思うと、画期的なモデルであることは間違いないでしょう。

イグニッションはライザー下部に設置。ワイドなタンク、厚みのあるシートと、ディテールも個性的

イグニッションはライザー下部に設置。ワイドなタンク、厚みのあるシートと、ディテールも個性的

あとは、日本市場とのマッチングがいかほどのものか、というところでしょうか。実はこのストリート、日本には導入されない排気量500ccのモデルもありまして、欧米では600ccをひとつの基準に保険制度などが分けられていることから、500cc/750ccの両方が用意されているのです。ところが日本の免許区分は400ccが境目。これだと、どちらであろうが大型二輪免許が必要になってしまいます。500ccモデルを導入しない理由はここだと思いますが、もし400ccモデルが作られていたり、日本の免許区分が500cc以上にあげられたりしたら、“普通二輪免許で乗れるハーレー”として注目を集めていたことは間違いないでしょう。

カスタムのベース車両としてのアピールをするストリート750だが、はたして……

カスタムのベース車両としてのアピールをするストリート750だが、はたして……

ブルースカイヘブンのオープニングセレモニーで、ハーレーダビッドソン ジャパン代表のスチュアート・ファレル社長が「ストリート750の日本導入は2014年末」と発表したわけですが、日本での販売価格までは発表されませんでした。すでに北米とインドでは販売がスタートしているストリート、インドにおけるこの750ccモデルの販売価格は、日本円で約70万円とされています。現在のラインナップのほとんどが3桁万円であることを思えば、破格の安さではあるのですが、海を渡って入ってくる際、関税がいくら乗せられるのか、で国内での販売価格は大きく変わります。仮定の話ではありますが、もし10万円上乗せの80万円台で販売されるとしたら、中古のスポーツスター(排気量883ccの空冷モデル)と大差ない額ということになります。

“自分だけの一台を作りたい”そんなライフスタイルに合わせたカスタムモデルのベース車両としてもストリート750は注目されている

“自分だけの一台を作りたい”そんなライフスタイルに合わせたカスタムモデルのベース車両としてもストリート750は注目されている

さらに、“日本市場の特異性”も小さくない影響をもたらすでしょう。今、アジア各国のモーターサイクル熱が大いに盛り上がっていることから、このストリート750(500含む)はそのお手頃価格とハーレーダビッドソンというブランド力もあって、かなり歓迎されるものと思われます。しかし日本の場合、「やっぱりハーレーダビッドソンと言えば、独特の鼓動が魅力の空冷エンジンだろう」という往年のアメリカンカルチャーへの憧れなどから、注目こそされてはいるものの、すんなり市場に溶け込んでいくかどうかは未知数といわれています。それゆえ、ストリートが400cc以下で出ていれば、既存モデルとの差別化が図れ、その存在意義は大いに理解を得るところだったのでは? とも思うのです。

と、未だ日本で販売されていないのに想像だけ膨らませても仕方ありません。近い将来、実際にストリート750を試乗した際のインプレッションをお届けし、導入時の購入検討の参考にしていただければ、と思っています。

>> ストリート750のエンジン&マフラーのサウンドはこちらでチェック!

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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