物価連動国債とは?
個人向け国債、新窓販国債は個人投資家にも馴染み深い金融商品ですが、物価連動国債といわれれば「そんな国債あったの?」と首をかしげたくなるかもしれません。リーマンショックから約5年間新規発行がストップしていたうえ、個人投資家が直接購入することはできない国債だから知らなくても仕方がないでしょう。
その物価連動国債、2013年に新規発行が再開されたものの、個人投資家の購入は認められていませんでした。少し前までは、2016年から個人投資家の購入を解禁すると報道されていたものの、2014年5月13日に麻生財務大臣が2015年1月から物価連動国債の保有を個人にも解禁することを表明しました。
利子が半年毎に見直される変動利付国債(15年)、個人向け国債の変動10と異なり、物価連動国債は元本(額面金額)が物価動向に応じて変動する国債です。簡単にその仕組みを述べることにしましょう。
たとえば、利率1.0%(固定金利)、額面100万円の物価連動国債があると仮定します。物価連動国債発行後、物価が2%上昇すると額面金額は102万円となり、そこに1.0%をかけると当初の利子は1万200円に増えることになります。反対に物価が2%下落すると、額面金額は98万円となり、利子は9800円に減少することになるのです。
このように物価の上昇に応じて元本(額面金額)が増減することから、利子も同様に増減することになりますが、仮に物価が下落して当初の額面金額未満で満期償還を迎えてしまった場合でも、元本が保証される仕組みになっています。ただし、満期償還前の売却はその時々の時価になることから、元本割れとなることもありえます。