個人向け物価連動国債の発行はなし
これまで機関投資家だけに取引が認められていた物価連動国債だったため、個人が物価連動国債を購入するためには、投資信託を活用して間接的に保有するしかありませんでした。余談ですが、個人投資家がインフレに反応するようになったからか、みずほ投信投資顧問の「物価連動国債ファンド」は、約1年で純資産総額が4.3倍も増加しています。2015年1月から保有(直接投資)が可能になる物価連動国債ですが、個人向け国債のような個人投資家専用の商品が新たに発行されることはありません。機関投資家が取引しているものと同様の物価連動国債を購入することになります。
取扱いは、証券会社や銀行になると思われますが、購入できるのは2016年1月以降に満期償還を迎える物価連動国債になります。物価連動国債は、元本が物価の増減に応じて変動することから、課税が難しいのですが、2016年1月以降は上場株式に準ずる事になる(全ての債券)ため、満期償還の時期を規定することで保有解禁としたようです。
既発債、新発債ともに購入ができることになると思われますが、残念ながら購入金額等は取扱い会社で異なることになりそうです。数十万円、あるいは100万円単位からなどと報道されていますが、今後取扱いの有無を各社が表明すると思われます。
物価が順調に上昇していけば、意外と個人向け国債よりも人気商品になるかもしれません。その際には、財務省は発行額を増やすこともあるでしょう。