過熱報道の裏にあるものとは

過熱報道の裏にあるものとは

STAP論文に疑義が生じている問題に関し、理研・小保方晴子ユニットリーダーの上司で、論文共同執筆者でもある笹井芳樹氏(理研・再生科学総合研究センター副センター長)が会見を行った。


過熱報道の裏にあるもの

この問題は連日大きく報道され、世間の話題をさらっているが、今回取り上げるのはその内容ではない。

一つの話題ばかりがこれほど大きく報道される裏にはいったい何があるかという点だ。

あえて“うがった見方”をすれば、人々がとっつきやすく話題になりやすいゴシップに時間をかけることで、本当に報じなければいけないシビアな問題から目を逸らせることが可能だということだ。

現に、STAP問題にばかり時間がかけられている今、山場を迎えているTPP交渉などの重要な問題がほんのわずかしか報道されない。これは今回たまたま起きているのではない。


数ある状況証拠

昨年10月、安倍総理が消費税増税を明らかにし、その是非を問うべき重要なタイミングで報道の中心となったのは「高級ホテルにおける食材表示の偽装問題」だった。

これは謝罪と訂正を粛々と進めればいいだけの話だが、報道時間の大半を費やされたせいで、消費税問題は十分に議論されなかった。

今年の1~2月にかけては医療法人徳洲会グループから5,000万円を受け取った猪瀬直樹前知事の辞職により、東京都知事選が行われた。これはエネルギー政策も左右する重要な選挙でもあったが、報道は「偽ベートーベン」一色。都知事選報道は少なく、投票率も非常に低い結果に終わった。

その後政府はTPP交渉の山場を迎えるのだが、時同じくして出たのが「STAP論文の疑義」だ。


原発事故より優先されたニュース

こうした事例で象徴的なものがある。2011年4月当時、マスコミが大々的に報じていたのは地方の焼肉店で発生した「ユッケによる食中毒事件」だ。

死者が出た食中毒事件であるからもちろん重大な事には他ならないが、カメラの前で社長が泣いて土下座するシーンを繰り返し報道していた裏で、爆発事故を起こした福島第一原発から高濃度放射能汚染水が流出するなど危機的状況が発生していた。

つまり、ゴシップに代表される、とっつきやすいような同じ話題が延々と報じられている時、その裏では国民に知られたくないシビアな事態が起きている可能性があるということだ。


TPPで日本が窮地に追い込まれる可能性

この経験則に当てはめると、いまSTAP問題にばかり報道が集中しているということは、裏を返せば、いま山場に差しかかっているTPP交渉で、日本は国民に知られたくないような、分が悪い状況に追い込まれているのではないかということだ。

その事実から国民の目を逸らせるため、とっつきやすい話題を延々と流しているのではないか。

あくまで邪推だが、状況証拠を積み上げるとあながち否定できない。
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