新興国投資は外すことはできない
国際分散投資の基本は後日詳しく解説させていただきますが、簡単に言えば国内外の株式や債券などに分散することになります。たとえば、国内の債券。国内の債券を資産の一部、いわゆるポートフォリオに組入れる場合、国内債券の金利は預貯金の金利と大して差はない。また、今後金利が上昇すれば債券価格は下落することから、ポートフォリオに組入れる必要はないと考えてしまう人がいるようです。
債券の仕組みから考えれば先に述べたことはもっともなことですが、国内債券をポートフォリオに組入れることで、ポートフォリオ全体の価格変動の振れ幅を抑えることができるのです。つまり、国内債券はポートフォリオにおける安全弁という性格を持っていると言い換えてもいいでしょう。
あるいは、新興国の株式。2014年に入ってからアルゼンチンペソの急落に端を発して新興国ショックが起こったのは記憶に新しいところです。また、新聞や週刊誌などの報道を見ると反韓、反中、さらにはわが国が理不尽な扱いを受けた等々、新興国に対する見方が近年になくネガティブになっていますが、国際分散投資において世界成長の果実を取りに行こうとすれば、新興国へ資産配分を行わないことがリスクなのです。
2013年、世界のGDP(国内総生産)の比率は、新興国全体が先進国全体を上回ったのです。これに対して株式市場の時価総額は、先進国全体の比率が新興国全体を大幅に上回っているのです。
GDPと株式市場の時価総額はリンクすると言われていることから、長い目で市場を俯瞰すれば、新興国の高成長を国際分散投資に組入れていくことが、資産全体の収益を底上げが期待できる可能性が高いと考えられるのです。
資産運用においては好き嫌いのような感情を挟まず、冷静に基本に即した運用を継続していく必要があるのです。