フランスのワーホリビザの特徴
フランスのワーキングホリデービザは、他の協定国とは異なり就労期間や就学についての制限がありません。そのため、1年という限られた時間を自由に過すことができます。フランスの仕事事情
パリセーヌ川(イメージ)
ただ、2013年度について言えば815名分のビザが発給されており、それに近い数の日本人が渡航しています。多くの日本人がパリに集中していますので、ひとつの求人には多数の人が応募すると思った方がよく、あれこれと迷っていると、いつまでも仕事を見つけることができません。
自分は何の仕事を経験したいのかを明確にしておき、ひとまず違う仕事をしながらでも、本当にしてみたい仕事を常に意識しておくことが大切です。
時期による仕事の増減
8月のパリはバカンスの時期で、フランス人オーナーの店や会社は雇用主の長期間不在で仕事を探しにくくなります(逆に南仏は探し易くなる)。一方、日系の会社ですと、日本人観光客が増える時期なので一年で最も忙しい時期となります。パリは観光地であるため、1年のうちにこうして労働需給が変化しています。仕事を探す際はそうした背景を考慮すると良いでしょう。フランスで体験できる仕事
最も見つけやすい仕事は、日本食レストラン、美容院スタッフ、販売員、日系会社の事務等です。フランス在住邦人向けの情報誌やホームページ、日系の書店、日本食レストランなどで募集広告を目にすることができます。慣れないうちは日系の雇用主のもとで働くと言葉の問題もなく税金や制度について理解できるかと思います。
また、特にパリでは人の紹介やツテで仕事を見つけるケースが多いので、人とのつながりを大切にするよう心がけてください。
求人広告のある場所
日本人向け情報誌『OVNI(オブニ)』
日本の仕事斡旋会社(有料)
日系の書店
日本食レストラン
仕事をする上での問題点
仕事を探していると、雇用主から「給料は支払えないけど働かせてあげる」と持ちかけられる場合があります(もしくは不当に低い賃金で)。以前より、このような形での雇用が常態化されているため、近年では労働局の取り締まりが厳しくなってきています。
このように雇用されることをノワール(黒・ヤミを意味する)と言い、そもそもが違法行為ですし、業務上の事故に遭っても何の補償も得られないというリスクがあります。こうした行為を続ける日本人が多く摘発されると、場合によっては制度そのものの見直しに繋がる場合もあります。くれぐれも適切な判断をお願いしたいと思います。
パリの住居事情
せっかくフランスで生活するのだからパリで暮らしてみたいという人が多いのですが、同じパリでも治安の比較的良い地域と、住むには適さない地域があります。当然治安の良い地域の家賃は高く、正規雇用されているフランス人でさえ、郊外に住むのが一般的です。そうしたなかで、ワーキングホリデーで得た収入で、パリに住み続けるのは非常に厳しいのが現実です。理想の暮らしを実現するには、日本である程度の資金を貯めてから渡航すべきでしょう。現地では高い家賃を賄えるほどの収入は見込めません。次ページ:フランス語が話せなくても生活できるか?