買ったモノに「○」か「×」を付けてみよう

貯められない人は結果的に支出が多いことになります。しかも、その中身が必要のない買い物、無駄遣いを多く含んでいます。したがって、本当に必要な支出なのか、それを考える習慣、判断力を養えば、グッと家計は改善されるはずです。

しかし、そう簡単にはいかない人もいるでしょう。家計コンサルタントの八ツ井慶子さんは、そういうタイプの人は想像力が弱いと指摘します。

「家計管理を始めるあたってレシートを集めましょうとアドバイスをすると、レシートを入れる箱を買ってしまう人がいます。家の中に、空いた箱の1つや2つあるはずなのに、そこまで考えが及ばない。何でも買うことで解決してしまう。もしそういうタイプの人が貯められるように変わるには、それなりの努力が必要でしょう」

そこで問題となるのは、本当に自分にとって必要かどうか、つまりは「無駄遣い」と「必要な支出」の線引きです。しかし、これは難しい判断でもあります。深く考えず、大部分の支出を無駄としてしまえば、結果的に節約となり、支出は確実に減ります。

「でも、それでは生活そのものが無味乾燥なものになりかねません。節約は使わないことにフォーカスするわけですが、使うことを前提に、それでいて無駄遣いを減らしていく。そう考えていくべきだと思います。つまり、お金をどう使うかに、しっかりフォーカスすることです」

そこで八ツ井さんがおススメするのが「ときめき買い」という発想。支出したときに、心がときめくかどうか。それを基準にするということです。そのためには、自分はこうなりたいという本当の思い、具体的なイメージが大切。それは、情報や周囲に惑わされず、内面に寄り添ってこそ得られるものでもあります。
 
方向は違いますが、結果的に「貯まる」というゴールは同じ

方向は違いますが、結果的に「貯まる」というゴールは同じ



「自分のなりたいイメージがはっきりするほど、何が必要で何が不要なのか分かってきます。不必要なモノは買わなくなり、節約とルートは違いますがゴールは同じ。支出が減って、結果的に貯蓄できるようになります」

では、ときめけば何に支出をしてもいいのでしょうか。たとえば、自分の趣味であれば、当然、その支出はときめくものとなりますが、家計負担になるほど支出してしまうリスクもあります。

「趣味は大切ですし、そこは難しいところ。ただ、その趣味が、それだけ支出しても本当にあなたを幸せにするのか、それをもう一度考えてほしい。ずっと続けられる趣味なのか。そう考えれば、支出にはある程度ブレーキが効くと思います」

また、普段の支出ではそれを買ったことでときめいたか、「○」と「×」を付けることを習慣化することも、無駄遣いを減らすのに効果的。この場合、ポイントは2つ。まず、「△」は極力付けないこと。そして、その1カ月後に同様に「○」と「×」を付けること。最初はときめいたが、実はそうでもなかった。あるいは最初のときめきは間違っていなかった。その地道な検証が無駄遣いを減らしていくのです。

「無駄遣いをゼロにすることは不可能。将来のことが100%わかるわけではありません。大事なのは限りなくゼロに近づける、その努力なのです」

次のページでは、家族のいる世帯での「貯められない」問題を考えます
 

取材・文/清水京武  監修/八ツ井慶子(家計コンサルタント)

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