学資保険の目的は2つ、貯蓄と保障
学資の貯蓄と、親に万一のときの保障をかねた学資保険。
- 子どもの進学の節目に祝金や満期金を受け取れる
- 親(契約者)に万一のことがあった時は、以後の保険料の支払いが免除され、給付金や満期金は予定通りに受け取れる
また生命保険の一種ですから、子どもが死亡した場合は死亡保険金が支払われます(死亡保険金の額は、死亡時の子どもの年齢により異なります)。
これを基本形として、さらに親に万一のときの保障を手厚くしたり、子どもの病気に備える特約をつけたりできるようになっています。
郵便局が扱うのは「かんぽ生命」の学資保険です。「かんぽ生命」は、郵便局の民営化にともない保険部門が独立してできた生命保険会社です。かんぽ生命の学資保険には、どんな特徴があるのでしょうか?
かんぽ生命の学資保険「はじめのかんぽ」
かんぽ生命の学資保保険は2014年4月に新しくなり、名称は「はじめのかんぽ」となりました。特徴としては次の3点があります。
- 3つのコースから選べる
- 従来の商品よりも戻り率(受取総額÷払込保険料総額)が高い
- 出生前140日から加入できる
3つのコースから選べる
- 「大学入学時」の学資金準備コース
- 「小・中・高+大学入学時」の学資金準備コース
- 「大学4年間」の学資金準備コース
1の「大学入学時」のコースは大学入学時の1回のみ。2の「小・中・高+大学入学時」のコースは小・中・高・大の入学時。3の「大学4年間」のコースは大学入学時、2年、3年、4年で受け取ります。
また2の「小・中・高+大学入学」コースでは、小学校に入学する直前の12月には最初の受け取りができます。そのため加入できる年齢が0歳から3歳までと短くなっています。
一方、大学費用のための1と3のコースは0歳から12歳まで加入することができます。
子ども12歳までに払込終了なら戻り率が上がる
3つのコースともに、12歳までに保険料を払い込むと、戻り率が高くなります。戻り率は、受取総額÷払込保険料総額×100で計算します。12歳までの短期間で払込むと1回あたりの保険料は高くなるものの払込保険料の総額は少なくて済み戻り率は高くなります。基準保険金額300万円(子ども0歳、口座払込)の場合の保険料と戻り率の例は次の通りです。
契約者は男性よりも女性、年齢は若い方が保険料が安い、つまり戻り率は高くなっています。
保険料を少しでも安くしたいなら、共働きで教育費を半分ずつ負担する夫婦の場合、母親の方が若ければ母親が契約者になることも検討していいでしょう。また払込から受け取りまでの期間は長い方が戻り率は高くなります。かんぽ生命のホームページでは保険料の試算ができるので、コースと契約者の性別、年齢、払込期間を入れて試算してみることです。
注意点は、学資保険の戻り率は、銀行の定期預金の金利とは違うことです。次ページで説明します。