チーズのほんのり塩味やたっぷりの洋酒が特徴の「銀座ぶどうの木」の通向けデセール
私も以前の店舗の時から大好きだった、チーズのほのかな塩気をアクセントとしたスフレは、「銀座ぶどうの木」を代表する「温デセール」の一つでした。「グリュイエールチーズのスフレ」は、店舗の前に置かれた看板の写真にも使われているメニューですが、実は、以前のものに比べて、やはりさらなる進化を遂げているのです。
表面にたっぷりパルメザンチーズがまぶされカリカリに香ばしく焼き上げられているのは以前と同じ。新レシピでは、スフレの中にもグリュイエールチーズが使われて、とろけるチーズの旨味をたっぷり堪能させてくれます。あまり細かくすり下ろさず、あえて塊が残るように大きめの粒で混ぜ込まれているので、甘さの中に広がるチーズの塩味とコクがたまりません。スフレのメニューの写真をよく見ると、グリュイエールチーズが糸を引いている様子がちゃんと表現されていますので、注目してみてくださいね。
添えられているのは、数種類のドライフルーツを細かく刻んだものとスパイスを合わせて煮込んだコンフィチュール、薄くスライスされカリッと焼かれたスパイス入りのパンデピス、サクッと軽い食感のスティックパイ。これらを一緒にいただくと、また味わいがぐっと変わります。コンフィチュールとパンデピスは、フランスのアルザス地方で冬の保存食として作られる“クリスマスのジャム”と現地の郷土菓子の組み合わせを思わせる風味で、チーズとの相性も抜群です。これにスパークリングワインや白ワインを合わせたら、デセールというより、大人のためのバーメニューのよう。
一方、根強いファンに愛される伝統的なフランスのデセールを、よりブラッシュアップさせたのが「ラム酒のサヴァラン」。ラム酒がたっぷり効いたシロップひたひたのしっとりした生地の真ん中に隠れているのはカスタードクリーム。その上を生クリームとカスタードクリームを合わせた軽いクリームで覆い、みずみずしいラムレーズンをスライスした飾り。削ったレモンの皮が散らされ、ほんのりさわやかに香ります。ラム酒は、カリブ海に浮かぶマルティニーク島で300年以上の歴史を持つ蒸留所で作られる「ディロン」と、中米の国グアテマラで一番搾りのサトウキビ蜜を原料に作られる「ロン・サカパ」とをブレンド。どちらもオーク樽でじっくりと熟成され、コニャックと見紛う琥珀色に色づく最高級のラム酒です。
男性の支持率も高い一皿。お酒はしっかり効いていますが、後味はあくまですっきり上品なので、女性にもぜひお試しいただきたいデセールです。週末のお仕事帰りにいかがでしょうか?
一見、素朴な「アップルパイ」にも、デセール専門店ならではのこだわりが詰め込まれています。サクサクと軽い層状になる「折りパイ」ではなく、あえて、ほろほろした食感が特徴の「練りパイ」生地を使用。主役のりんごを引き立てる名脇役となっています。じっくり煮込むりんごは、季節ごとに一番美味しいものを選びますが、冬の間は、なんといっても酸味が魅力の紅玉となります。また、やわらかく煮込んだ二種類のりんごペーストをブレンドしたフィリングのみでなく、りんごのシャキシャキした食感も楽しめるよう、身ごろ感を残して大きくカットしたりんごも中に忍ばせてあるのです。
熱々の焼き立てアップルパイに、冷たいバニラアイスクリームを添えていただく幸せと言ったら!
りんごのデセールは、2014年3月末までの「季節のデセール」で「りんごのキャラメリゼ シナモン風味のシブースト」もあり、こちらには、フランスでよく使われる「グラニースミス」という青リンゴが使われています。りんご好きなら、2種類のデセールを食べ比べてみたいですね。
銀座での待ち合わせやティータイムにぜひ利用したいデセール専門店「銀座ぶどうの木」。あれもこれも食べてみたくなってしまうので、何人かで行って違うものを頼み、少しずつ味見するのもいいですね。季節ごとに通って、デセール全種類制覇を目指してはいかがでしょうか。
<ショップデータ>
「銀座ぶどうの木」
東京都中央区銀座5-6-15 座STONE(ザ・ストーン)2階
電話 03-5537-3140
営業時間 月-土11:00-20:00、日祝11:00-19:00(ラストオーダーは閉店45分前)
HP: http://www.budonoki.jp/