「銀座ぶどうの木」の色とりどりの華やかなデセールメニュー
赤と白と金色が華やかな「ヴァシュラン」も通年で楽しめます。最近、フレンチのデセールとして知られるようになってきた伝統的なメニューで、サクサクのメレンゲと生クリーム、バニラのアイスクリームを王冠状に仕立てるのがクラシックなスタイルです。店により様々なアレンジがあり、このように平皿に盛られたタイプは、私もあまり見たことがない形でしたが、食べてみると尚更、珍しいスタイルだと感じました。
お皿全体に敷き詰められた生クリームの上に、さらに王冠のように絞られた生クリーム。それが凍らせてあり、その中心に、斜めにカットされた柱状のメレンゲが丘のように盛られ、凍ったフランボワーズとひらめく金箔の飾り。雪原のように生クリームが張り巡らされた上は、赤いフランボワーズのパウダーとソースで華やかに彩られています。いざ、食べてみると、実はこの下に、3種類のアイスクリームとシャーベットが隠れているのです。バニラ、カシス、アプリコットと、スプーンを入れる場所によって、異なる味に出会うことができます。表面がキャラメリゼされたつやつやのパイ生地が添えられているので、口の中が冷えた時には、これを間に挟みながいただくと、ちょうどよい口休めとなります。
一方、グリーンがひときわ美しい「ピスタチオのクレームブリュレ」は、ピスタチオの濃厚なソースの下に、表面をパリパリにキャラメリゼしたピスタチオのクレームブリュレが隠れています。そのため、一見やわらかそうなソースにスプーンを入れると、パリンと薄いカラメルの板に当たり、食感のアクセントが楽しめます。まるで生えて並んでいるかのような木苺は、エスプレッソのジュレの土台の上に置かれています。赤いソルベは酸味のあるグリオットチェリー味。ピスタチオのコクのある甘さと引き立て合い、相性抜群です。味覚の要素が多く、一見すると複雑そうですが、様々な食感と味わいがうまく一つにまとまり、エスプレッソの苦みも全体を引き締めるアクセントとして活かされています。
新店舗オープンに合わせて登場した「ムース オ ショコラ ザ・ストーン」は、店舗のあるビル「座STONE」をイメージしたモダンなフォルムが印象的な一皿です。
石造りのビルの壁を思わせる柄入りの極薄のチョコレートプレートで四角く囲まれたムースショコラ。その中には、オレンジの香るマカダミアナッツのパルフェ入り。添えられたラズベリーやカシスソース、オレンジと、ショコラとの相性を様々に楽しめます。
さらに次のページでは、チーズの塩気がアクセントの人気メニュー「スフレ」がどのように進化したか、そして大人の男性にお薦めしたい洋酒がたっぷり効いたデセールなど、より通向けの品をご紹介します。