普通預金と定期預金の金利にほとんど差がなくなった
私たちが日常的に使用している普通預金。いつでもペナルティなしで出し入れ自由なことから、非常に使い勝手のよい預金です。金利がそこそこ高ければいうことはないのですが、銀行側に取ってみれば、いつ引き出されるかわからない預金に高い金利を付けることはではきません。そのため金利が付く預金の中では最も金利は低くなっています。普通預金は金利が最も低いことから、お金を増やすために向く預金ではありません。日常の生活口座として使うか、「もしも」や「万一」に備えて、一定のお金をプールしておくために使われるケースがほとんどのはずです。このため必要以上のお金を入れておかずに、お金を少しでも有利に増やしたいと考えるならば、定期預金に預け替えましょうといわれるわけです。
しかしながら、普通預金金利と定期預金金利にほとんど差がなくなったことから、あえて普通預金と定期預金に分ける必要性は薄れつつあります。たとえば、メガバンク3行の普通預金金利は0.02%の一方、スーパー定期の1ヵ月物~1年物までの金利は0.025%と0.005%しか変わらないのです。仮に100万円を預け入れたら年間の利息額の差は50円(税引前)に過ぎないのです。
定期預金を満期前に中途解約したとしても普通預金金利が適用されることから、イザとなれば定期預金を解約すればいいと考えてもいいし、ほとんど金利差がないのだから普通預金に入れっぱなしでも構わないのです。ただし、インターネット専業銀行や地方銀行のインターネット支店の好金利定期を利用する場合は、普通預金と定期預金はセオリー通りに分けた方がせっかくの好金利を無駄にすることはありません。
意外と好金利の普通預金がある
普通預金と定期預金にほとんど金利差がない以上、好金利の普通預金であればあえて定期預金に分けなくてもよいでしょう。ただ、普通預金にまとまったお金を入れておくと知らず知らずの内に使ってしまうというリスクがあることから、普通預金に預けっぱなしでもよい人は、家計管理がしっかりできて、かつ意思の強い人になると思われます。生活資金の決済口座としては使えませんが、公社債投資信託のMMFやMRFもその候補といえるでしょう。MMFであれば0.06%前後、MRFであれば0.04%前後の運用実績がありますので、普通預金あるいは大手銀行の定期預金を上回る金利が付くと考えられます。
普通預金金利だと、大和ネクスト銀行が0.07%、セブン銀行が0.05%、ジャパンネット銀行が0.03%となっています。ジャパンネット銀行は、100万円以上は0.04%、1000万円以上は0.05%と預入金額に応じた段階金利を採用しています。ちなみに、ゆうちょ銀行の通常貯金の金利も0.03%。これらの銀行の普通預金は大手銀行の定期預金を凌駕していることになります。
普通預金ではありませんが預入期間1ヵ月未満の定期預金では、新生銀行の2週間満期預金金利が0.15%と破格の金利です。預入金額は、店頭、電話だと100万円以上、インターネットでは50万円以上とややハードルが高くなっています。
SBJ銀行の1週間満期定期「愛称:なのかちゃん」の金利は0.25%とインターネット銀行の定期預金もびっくりの好金利となっています。預入金額はインターネットが10万円以上、窓口だと30万円以上です。
いずれ預金も、日常的に使う銀行としての延長で利用するのであれば使い勝手があると思われますが、ネット銀行の定期預金代わりに利用するほどの金利差ではないと考えます。定期預金金利に動きがないことから、普通預金などの流動性商品の金利を調べてみました。なお、金利はすべて2014年2月17日現在です。