鉄道/観光・イベント列車

石巻線マンガッタンライナー(3ページ目)

漫画家石ノ森章太郎ゆかりの地石巻が「マンガを生かした街づくり」の一環として2003年から仙石線で運行してきたマンガッタンライナーだが、東日本大震災により仙石線が一部不通のままなので、石巻駅に到着することはできないままだ。そこで、2013年3月より、石巻線に新マンガッタンライナーが登場した。仙石線は通勤型電車だったが、石巻線はセミクロスシートのディーゼルカー。旅行気分を味わえる列車だ。

野田 隆

野田 隆

鉄道 ガイド

名古屋市生まれ。生家の近くを走っていた中央西線のSL・D51を見て育ったことから、鉄道ファン歴が始まる。早稲田大学大学院修了後、高校で語学を教える傍ら、ヨーロッパの鉄道旅行を楽しみ、「ヨーロッパ鉄道と音楽の旅」を出版。その後、守備範囲を国内にも広げ、2010年3月で教員を退職。旅行作家として活躍中。

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マンガッタンライナーでたどる石巻線の旅、その2(石巻~浦宿)

浦宿駅に到着したマンガッタンライナー

浦宿駅に到着したマンガッタンライナー

これまで坦々と平地を走ってきた石巻線は石巻をでると車窓の変化が激しくなる。まずは、旧北上川の長い鉄橋を渡る。陸前稲井を過ぎると、小牛田以来初といってもいいくらいの勾配をのぼりトンネルに入る。

万石浦に沿って走る車内から

万石浦に沿って走る車内から

トンネルを抜けると渡波(わたのは)に到着。次が万石浦(まんごくうら)でいかにも海岸にありそうな駅名だが、実際に万石浦に沿って走るのは、その次の沢田を過ぎてからである。万石浦は石巻湾とは狭い水路でつながった湖のような静かな内海で海苔や牡蠣の養殖が盛んで車窓からもその様子が見て取れる。石巻線随一といってもいいくらいの絶景区間だが、ここも津波や震災の影響があり、地盤沈下もあって、線路際の堤防がかさ上げされている。

女川方面へ続く線路

女川方面へ続く線路はまだ復旧していない(浦宿にて)

万石浦沿いの景色が途絶えるあたりに浦宿の小さな駅があり、今はここが終点だ。駅前の道路の向うでは女川行きのバスが待っていて、多くの乗客はバスに乗り込んで女川へ向っていった。静かになったホーム一本、線路一本だけの駅に停まっていた列車は10分ほどの停車の後、石巻方面へ折り返していく。

 

石巻線へのアクセス

小牛田

東北本線、陸羽東線、石巻線が結集する小牛田駅

石巻線の始発駅小牛田へは、仙台から東北本線小牛田行きまたは一ノ関行き普通電車で約45分。但し、701系というオールロングシートの通勤電車が使用されることが多いので、旅行気分は味わえない。

古川まで東北新幹線を利用し、陸羽東線に乗り換えて小牛田へ向う方法もある。古川~小牛田は3駅で約10分。セミクロスシートのディーゼルカーで旅行気分は味わえるが、本数は昼まで1時間に1本程度。新幹線も古川停車は1時間に1本程度で両者の乗り継ぎが余り良いとは言えないのが難点であろう。

<参考記事>
マンガッタンライナーで萬画のくに石巻へ(仙石線のマンガッタンライナーについての記事、執筆=高橋良算氏)
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