アイドル発掘番組(音楽番組)とのコラボでミュージック部門が台頭
2013年7月時点の同社はオンラインゲームとミュージックがほぼ拮抗する業務構成比となっていましたが、2013年第3四半期決算でミュージック部門が前年同期比+161.4%増と強烈に伸びたため、現在ミュージック部門が頭一つ抜けた形となっています。第3四半期に中国の有名なアイドル発掘番組(音楽番組)と同社がコラボレーションし、大きな宣伝効果があった模様です。ミュージック部門の有料会員数は前年同期比+117%増の77万人となり、その他(ゲームその他を含む)潜在的な顧客となり得る無料ミュージック会員数もテレビの効果で大きく増えています。ゲーム部門の収入は同+84.3%増で、こちらも悪くありません。ゲームは中国だけでなく、東南アジアなど海外へも進出し、有力なゲーム開発企業とライセンス契約を行いました。「その他のIVAD(インターネット付加価値サービス)」とは、有料会員から得るメンバーシップ料金やオンライン授業(教師と収入をシェアする仕組み)からとなり、2013年第3四半期は前年比+144.6%の成長でした。オンライン広告収入部門は前年比+35.5%増でした。 部門ごとの3ヶ月単位の売上成長推移は以下のグラフのようになります。
全体の売上高は前年同期比+100%以上の成長が続いており、直前の四半期に比べても+20~30%程度の成長が途切れること無く続いています。売上規模は2013年に300億円規模に達したと思われます(前年比約2.2倍)。2013年第3四半期の売上成長率は前年同期比+113%、最終純利益額は同+267%増、調整後一株利益は同+161%増でした。
利益のスーパー高成長
粗利益率はおよそ50%前後で安定推移しています。売上高が急速に伸びる中で研究開発費自体も伸びているのですが、売上成長がそれよりも速い為、その対売上高比率は低下してきています。研究開発費の比率が低下した分だけ税引き前純利益率が増加している形となり、これが利益のスーパー高成長に繋がっています。2011年後半の税引き前純利益率は辛うじて黒字となるレベルだったのが、現在は30%を超えています。この間売上規模は4倍以上となった為、この利益率で同社としてはかなりの利益額が残るようになりました。まだ売上高や時価総額規模は中国の大手ネット企業と比べると格段に小さい会社ですが、急速な成長を見せており、大手から見ても気の抜けない存在(競争相手)になってきていると思います。結局のところ大手も無償ソフトで集客し、有償の娯楽サービスで稼ぐという同じ土俵に居るからです。その中でYYはSNSで会員同士のリアルタイム相互コミュニケーションを提供し、そのコミュニケーションからゲーム、カラオケ、学習等へ、PC~モバイルまで多様なツールで誘導しています。その仕掛けは複数のサイトから相互に提供されています。ゲーム一辺倒の会社が多い中で、ミュージックという柱があるのも強みです。
参考:グローバルグロースレポート
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