空間とユニフォームはファクトリーテイスト
金属板のカウンターには、なんとドアノブが。オフィスだったこの空間にもともとあった頑丈なドアをそのままカウンターに活用し、ドアノブはユーモラスなチャームポイントとして残したのです。内装と同じように、いかにも作業着らしいつなぎのユニフォームもファクトリー・テイストを意識。ESPRESSO PARTSのメンテナンス道具が入った赤い工具箱まで完璧です。
エスプレッソマシンのメンテナンス道具はESPRESSO PARTS社製
ターレットの由来
隣はスターバックスという通常なら避けそうな立地ですが、川崎清さんは「面白いんじゃない?とあえて選びました」と笑います。彼は社員としてスターバックスに勤務した経歴の持ち主。
「スターバックスがパイクプレイスのマーケット、つまり市場から1号店をスタートしたように、このお店も築地市場のある街で成長していけたら」というわけで、店名は築地市場を行き交う小さな運搬車、ターレット・トラックに由来します。
人生を決めたのは、二杯のラテ
大学時代は駅伝の練習に明け暮れていたという川崎さん。ストイックな生活の息抜きに訪れたスターバックスで一杯のラテの味わいに感動し、東海地方のスターバックスに就職して7年間勤務。
やがて東京のコーヒー店巡りをした際に澤田洋史さんのSTREAMER COFFEE COMPANYに出会い、「目の前でラテアートを描いてくれるというエンターテイメント性とおいしさに衝撃を受けて」、退社と上京を決意。ちょうど2011年の大震災後のことでした。
周囲の人々の「いま東京に行かなくても…」という心配の声をはねのけ、自分に感動をもたらしたラテを習得するために澤田さん監修のDOWNSTEARS COFFEEへ。
そうして2013年10月、Turret COFFEEが誕生したのです。その存在は築地の人々にも大歓迎され、近隣のオフィスの人々はもちろん、和食の名店の大将たちもコーヒー休憩に訪れては「ずっと続けろよ」とあたたかいエールを送っているそうです。
ターレットコーヒーのメニューとショップデータは次ページで。