独自の研究所で素材や技術の裏付けをとるハウスメーカー
検証というと難しくなりますが、要するに家づくりのための素材や技術、品質について、どれだけしっかりとした裏づけをとっているのかということです。住宅は数十万点もの部品で構成されます。その一つひとつが信頼に足るのか、確認する作業が必要になります。
大手のハウスメーカーでは、このような検証作業を独自の研究所や工場などで行い、商品化や施工、消費者への提案に役立てています。代表的な事例が耐震実験。自社の施設を使うことはもちろん、時には外部のより大掛かりな施設を使用することもあります。これにより、大地震に耐えられる構造の強さや信頼性を実物大の試作棟で確認し、建物によって異なる状況においても役立てられるよう、構造計算に反映させているというわけです。そうした素材や部品、構造、それらを支える技術的・品質的な裏づけをしっかりと確立させているのが、ハウスメーカーの強みといえます。
セルフクリーニング機能がある外壁素材も
セルフクリーニングの機能を持つ外壁素材も登場。写真は光触媒技術によるパナホームの「キラテック外壁」
このほかの事例も。最近は、外壁素材の性能がずいぶん多機能化してきました。耐火性や遮音性といった基本的な機能はもちろん、最近の技術では光触媒を使いセルフクリーニング機能を持つ素材や塗装剤も出てきました。こういうものを、素材メーカーと共同開発し、性能を検証した上で市場に提供しているわけです。
外壁素材にこのような機能を付加するのは、将来のメンテナンスコストを抑え、建物の美観や資産価値を維持するという意味で重要なポイントになります。そんな視点を持ったハウスメーカーであるかということがまず大切なことですし、その裏付けをしっかりと押さえているかも重要なことになります。ここまでは、技術や素材の話を中心に紹介してきました。次のページでは、このようなハードの部分だけでなく、住まい方の提案においても検証を行っているという事例をご紹介します。