ガソリンカードの急成長銘柄に注目(2ページ目)

買収で海外が成長中

同社の収入源は2つあり、カードを発行した法人顧客から得る月会費と、顧客がカードを使用する毎（主にはガソリンの購入）に入る決済手数料です。基本的に同社のような金融企業は規模を拡大させることで飛躍的に収益を増加させることができます。顧客が一人増えてカードを新たに使用しても、同社に新たな仕入れや原価が発生する訳ではありません。既存の決済ネットーワークシステムという決まったインフラを使いながら、追加コストなしに売上＝経常収入（その90％以上が粗利益）を増やして行くことができます。 　


そして同社は上場資金を得た2011年より大型の買収を繰り返し、規模を大きく成長させています。2011年に使用した買収資金は3億ドルを超え、投資キャッシュフローに表れています。そしてそれは海外へと向けられ、この年、英国とメキシコの大規模な同業社を買収しました。それぞれの地域で有力なガソリン・カード会社を買収し、自社の決済ネットワークの中に入れ、サービスを拡大させています。すでに同社は何十社もの買収を繰り返し、それらを連結することで資産規模と業績を大きく成長させてきました。上場した時点では北米の売上高が約70％だったものが、直近では50％近くに下がっており、海外で成長加速させています。他にもオーストラリア・ニュージーランド地域やロシア、ブラジルなど新興国へも買収を通じて進出しています。

予想を超える買収効果が発揮されて上方修正となる可能性も

直近の第3四半期（7-9月期）の売上高は前年同期比＋20.4％増の2億2500万ドル、調整後一株利益は同＋30.1％増の1ドル8セントという結果でした。いずれもアナリスト予想平均を大きく上回りました。そして同社は通期の一株利益の見通しを、当初3ドル65セントとしていたところから4ドル2セントまで大幅に上方修正しました。このような業績の上振れは昨年も同様であり、2012年度における当初会社予想は、売上6億1500～2000万ドル、一株利益2ドル55～60セントとしていたところから、最終的に売上7億753万ドル、一株利益2ドル99セントで着地しました。そして昨年から全ての四半期でアナリスト平均予想を売上、利益とも大幅に上回り続けています。これは繰り返し行われる買収の効果が予想以上に出ているからで、特に買収を加速させている海外で大きく成長しています。第3四半期における北米地区の売上成長率は＋13.6％でしたが、海外は＋30％増となりました。

今年通期の最新時点のアナリスト平均予想は、売上高＋24.4%増、一株利益＋34.8％増となっています。昨年初めころに出ていた同期のアナリスト予想は＋10％程度の成長にすぎませんでしたので、四半期決算のたびに上方修正されてきた様子です。同社株はすでに今年2.2倍近くになり、長らく10週線を割り込まずに上昇トレンドが続いてきました。3年前の上場時点の株価は25ドルでしたが、＋30％台半ばの利益成長が続いてきた結果、今月は123ドル96セントの高値をつけました。ROEも上場時の約20％から昨年は25％、そして今期は30％まで上昇することが予想されます。

すでに大きく上昇した株とも思えますが、上場からまだ3年しか経過しておらず、配当０を継続している成長途中の会社です。来期は売上高を初の10億ドル台に乗せ、＋25％の増収、＋22.8％の増益が現在予想されていますが、ここ2年そうだったように、予想を超える買収効果が発揮されて上方修正となる可能性も高いと思います。高い利益率と予想を超え続ける成長率が同社の魅力であり、海外での買収活動を見ていると、まだ成長ストーリーは終わっていないと思われます。より成熟した同業大手のVisa（V）やマスターカード（MA）も、数年前までに大きく騰がったと思われた株価からさらに倍増以上になっており、今年も40～60%ほど上昇しました。若いロシアの決済サービス企業であるQIWI（QIWI）社と合わせ、注目して行きたいセクターと思います。

参考：グローバルグロースレポート

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