環境銘柄の勝ち組企業、中国光大国際
環境銘柄の勝ち組企業、中国光大国際
プロジェクトはTOBという方式の、建設、運営、譲渡という3つの段階に関わる形が多く、建設後に20~30年ほど運営を行った後、最終的に公共団体に売却・譲渡するというものです。そのほか建設済みプロジェクト施設を買収し、一定期間の運営を行ってから譲渡、という形もあります。いずれにせよ施工主である地方政府は丸投げできる形であり、資金の工面も必要ないことから(中国光大国際がファイナンスまで行う)、どんどんと政策に乗ってプロジェクトを起こしやすいビジネスモデルと思います。一方で中国光大国際の債務(負債額)は大きくなりがちですが、相手(地方政府)に金利を請求することができ、これが大きな収益の一部ともなっています。
水や汚染対策に関わる環境銘柄(太陽光発電を除く)は世界的にも数多くあって注目されているものの、ここ数年相場のリード役として殆ど聞いたことありません。米国においてもそのような環境株・業種が大きく相場をリードした、或いは強く上昇しているという話は皆無です。インターネットやバイオ医薬、カジノなどのセクターや消費株の一角に比べてパフォーマンスは大きく劣ります。そのような中で中国光大国際は異質とも言える強い株価パフォーマンスを長期に渡り実現しており、ある程度時価総額の大きな環境銘柄では北控水務(00371)とともに数少ない相場の勝ち組企業と言えるでしょう。
プロジェクト多数、規模拡大続く
事業はゴミ発電、汚水処理、再生エネルギーの3部門がありますが、3部門合計で73のプロジェクトを持ちます。金額に治すと178億4,800万人民元という巨大さです。部門毎の内訳は、ゴミ発電所が112億6,000万元、汚水処理場が36億4,700万元、再生エネルギー発電所が28億5,500万元となります。このうちすでに完成したプロジェクトの合計は94億1,400万人民元であり、これらは現在運営収入をあげています。そして現在建設中となっている部分が31億9,900万元あり、これらは工事の進捗に応じて今後各部門の建設売上として計上されて行くものです。さらにまだ建設に取りかかっておらず、設計段階にあるプロジェクトが52億3,500万元もあり、こちらも今後工事が進捗して行くごとに建設売上として消化されて行きます。勿論毎期ごとに新たな新規プロジェクト案件も獲得しており、これらが完成したも後は運用収益(売電や汚水処理料金)として業績貢献して行きます。
ただ懇意にしている地方政府の環境プロジェクトも(三中全会でも重要課題となっていましたが)いつまで好調に続くかは不明であり、同社は海外進出も視野に入れています。環境処理技術に関して同社はドイツやフランスの会社のものを取り入れています。さらに収益を上げるために、来期より環境施設建設に使用される器材や機械の製造販売にも取りかかる予定です。
>>次は同社の財務内容と今後の投資方針を検証します