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引っ越したその街は本当に安全?

引っ越しのシーズン。新たな土地についてあなたはどれだけ知っていますか。海、山、川の影響だけではなく、その土地特有のリスクは必ず存在します。大事なのはそれを知っておくこと準備しておくことです。

和田 隆昌

執筆者:和田 隆昌

防災ガイド

引っ越したその街は本当に安全?

東海地震の危険が迫る現在。海岸線には大きなリスクが存在する。

東海地震の危険が迫る現在。海岸線には大きなリスクが存在する。

この春に引っ越した新天地。見るもの全てなにもかも新鮮で、ウキウキした気分になると思いますが、その街は本当に安全ですか? 街に潜む危険にあなたは気づいているのでしょうか。

自然災害の被害リスクの大小は、その地理的要因に大きく左右されることはご存知でしょうか。世界最大の地震多発国である日本は、現在様々な自然災害のリスクに脅かされています。中でも最大なものは津波災害です。先日のチリ地震では幸いな事に人的被害は出ませんでしたが、養殖などの漁業に多大な被害をもたらしました。

海の見える場所に住むのは本当に快適で、気持ちのいい生活ですが、東海地震の発生時には駿河湾では最大20mもの津波の発生の可能性があり、それは陸地内数キロに渡って被害を及ぼすものです。スマトラ半島沖で起きた数十万人の死者が発生した史上最悪の津波災害が、日本で発生する可能性は非常に大きいのです。ですから、沿岸地域にお住みの方は常にそのリスクを考えて、警報の際の避難経路などを事前に十分に決めておくべきなのです(参照:「津波災害にあわないために」)。

内陸部においても地形によるリスクが大きな差になります。山間部や自宅近くに急傾斜のある地形の場所では、地震発生時の崩落の可能性を考えておかなければなりません。盲点として、古くからの地盤ではなく、新興住宅地などの造成地などでは、大きな地震の際に、家屋に大きな被害が出ることが予想されます。

賃貸の場合は住む場所の地盤についてはあまり調べない人が多いでしょうが、その場所が古くからある洪積層か沖積層なのか、埋立地なのかくらいは調べておくことが肝心です。後者になるにつれ、地震の揺れは大きく伝わることが多く、地震被害は大きくなることが知られています。


火災が起きても大丈夫?

もうひとつ忘れてならないのは大規模な火災の発生時にその街が安全かどうかということです。日本には木造家屋の密集地域が多数存在します。下町と呼ばれる地域などは家屋が近接していて、道路も細いため、火災発生時には消火活動も難しく、同時多発的に発生する地震火災においては被害が拡大することが予想されます。

そういう地域ではもちろん住民同士のコミュニケーション能力も高く、防災訓練も頻繁に行われていると思いますが、その街のリスクを十分に理解し、それに個人が事前に対処しておくことが重要なのです。火災が発生したときに初期消火にどのように参加するか、子供や老人をどのように避難させるか、避難場所はどこなのか、十分な準備をしておいてください。

街にはその場所特有の災害リスクが存在します。海、山、川の近くならその影響、街の建物、自治体の対策などによって様々です。住む場所を変えたなら、災害時の避難場所の確認とともに、市役所等で災害時の対応を聞いておくことも忘れずに。日本では自然災害は避けられません。大事なのはそのリスクを知っておくこと、住民同士で準備しておくことが重要なのです。

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