ウール100%が一番良いわけではない
「規格」だけみてもなかなかどんな商品か想像するのが難しいですが、こうやって商品の写真と「規格」を比較してみるとなかなか面白いです。
さて、一番大切な「組成」について見ていきたいと思います。「組成」は、その商品にどんな素材を使っているかが書かれています。
素材によって大きく特性が違います。以前の記事「カーペットの選び方(素材編)」でもご紹介しましたが、僕は家に使われる場合、「ウール」をおすすめします。もう少し正確にいうと、「ウールを主原料に使ったカーペット」をおすすめします。ただし、「ウール100%」が一番よいというわけではありません。「ウール」は決して強い繊維ではないので、それを補うように一部合成繊維を使用したカーペットもあります。
大切なことは「ウールの特性」を備えたカーペットを選ぶことです。ウールが80%程度入っていると、ウールの特性は失われません。実際に、ホテルで使われているウールカーペットも、ウール80%ナイロン20%というのがもっとも一般的な素材になります。
ウールの特性とは
最近のジメジメとした天気、うんざりされていませんか?特にフローリングの生活をされているとベタベタしないでしょうか?ウールは呼吸する繊維と呼ばれ、湿度をコントロールしてくれます。この効果によって、ジメジメした天候でもサラッとお使いいただけるのがウールです。また冬にお鍋をするときなどは、結露に悩まされることがあると思います。そんなときにも、ウールカーペットを敷きこむと結露がずいぶんましになります。
素材選びはカーペットを選ぶ上で非常に重要です。カタログをご覧になるときはぜひ「組成」はしっかりチェックしてください。
マークにだまされない
最後にカタログに記載されている主なマークについてご紹介します。防ダニマーク
「ダニを寄せ付けない加工」をされたカーペットにつけられるマークです。その方法や効果は様々です。防ダニというのは、決してダニを殺してくれるわけではありません。以前はダニを殺してしまうような薬剤もあったのですが、最近では殺してしまうということは人体にも影響が出るということで、「ダニを寄せ付けない薬品」が使われていることが多いです。
ダニははじめからカーペットに住みついているわけではありません。そのほとんどは人間が外部から持ち込んだものです。つまり、「寄せ付けない」というのは「カーペットに寄せ付けない」だけであって、ダニがいなくなるわけではない、とも言えます。
遊び毛なしマーク
名前のとおり「遊び毛が出ないカーペット」につけられるマークです。このマークは、多くのカタログで「遊び毛」がでることをまるで悪いかのような表現をしていますが、「遊び毛」はカーペットにとって重要な機能でもあります。
以前の記事「カーペットのお掃除1」でも書きましたが、「遊び毛」が出てくれることで、汚れを少しずつ落としていくことができます。「遊び毛」が出ないということは、汚れは付着していく一方です。特に住宅での敷き込みカーペットの場合、そんなに頻繁にカーペットを敷き替えたりはしないと思います。使っていくうちに汚れがどんどんたまっていくカーペットは、決して良い選択ではないのではないでしょうか。
他にもたくさんのマークがありますが、カタログに記載されてマークがついているとつい良い効果をもたらしてくれるものだ、と思い込んでしまいますが、「遊び毛なしマーク」のように、決して良い効果だけではないということもあります。マークにだまされないようにしてくださいね。
今回はカーペットのカタログの見方について書かせていただきました。
なかなかこんなに細かく見ることは難しいと思いますが、少しでも皆さんのカーペットを選びの参考になればと思っています。まずは興味をもってカタログをみていただけると大変うれしく思います。