新春にふさわしい行事もたくさん!1月に開催される日本の祭りや行事
新春行事(北野天満宮 書き初め)
そんな一度は行ってみたい・参加してみたい各地の新春行事や1月の祭りを、お祭り評論家山本哲也が独断で選びました。これを読めば、テレビのニュースを見て悔しい思いをしなくてすむでしょう。(掲載は開催日順です)
七日堂裸詣(なのかどうはだかまいり)(福島県柳津町)
只見川にすむ龍神を民衆が追い払ったという伝説から始まったと言われている行事。20時30分、一番鐘を合図に、白褌一本の裸男たちが石段を駆け上がり、堂内に吊り下げられた綱につかまり、大鰐口(おおわにぐち)まで登り切れば御利益があるとされています。この祭りは、男性であれば地元住民でなくても参加できます。夕方、集合して着替え場所で褌姿になり、塩でお清めをして出番を待ちます。褌は、激しい動きに対応できるよう、白の六尺を用います。付近の衣料品店などでも売っているようです。
一般参加希望の方は、柳津観光協会(以下リンク参照)へお問い合せを。
■七日堂裸詣
開催期日:毎年1月7日 (2019年も同様)
アクセス:JR只見線会津柳津駅下車
電話:0241-42-2346 (柳津観光協会)
URL:http://aizu-yanaizu.com/
十日戎(とおかえびす)(大阪府大阪市 ほか)
商売繁盛を祈願する人でにぎわう行事。他の地域ではあまり聞いたことがないかもしれませんが、大阪・京都・兵庫など近畿地方各地にある戎神社で行われます。前日の1月9日は「宵(よい)えびす」、10日は「本えびす」、11日は「残り福」と呼ばれ、3日間にわたって続きます。神社境内では「商売繁盛で笹もってこい」の掛け声がエンドレスで鳴り響き、お参りの人であふれます。なかでも有名なのが、今宮戎神社(大阪市浪速区)の十日戎と、次に紹介する西宮神社(兵庫県西宮市)の開門神事。今宮戎の10日「本えびす」では、宝恵駕籠行列(ほえかごぎょうれつ)が行われます。
もともとは地元の芸者が神社に参詣したことから始まったとされる行事。とんぼりリバーウォーク・旧南地大和屋前から戎橋・道頓堀を通り、NGK(なんばグランド花月)前を通り抜け、今宮戎神社までを、福娘・芸者・有名人などがかごに担がれて練り歩きます。今年はどの有名人が参列するか、チェックしてみても面白いでしょう。
参詣者は写真のように、笹に「吉兆」とよばれる縁起物・お守り(今宮戎では1個2000~3000円)を、福娘たちにつけていただきます。一人あたり、3~10個つけてもらうようです。(領収書発行可) 年々商売が繁盛するにつれて、吉兆の数を増やしていくのが一般的とされています。
今宮戎以外の戎神社では、すでに吉兆をつけてある笹を授与(購入)することが多いです。
■今宮戎神社 十日戎
開催期日:毎年1月9日~11日 (2019年も同様)
アクセス:南海今宮戎駅下車
電話:06-6643-0150
URL:http://www.imamiya-ebisu.jp/
2019年の宝恵駕行列コースや通過予定時刻など、詳細はこちら
http://www.imamiya-ebisu.jp/h31gyouretu
西宮えびす・開門神事(兵庫県西宮市)
西宮神社では10日に開門神事が行われます。十日戎への参拝一番乗りを目指して走ったのが起源とされている行事で、今では早朝のテレビ番組で生中継されるほどの注目を集めています。
朝6時に神社の表大門が開かれ、前夜から外で待っていた参拝者が一番福を目指して境内を走り抜け、約230m離れた本殿へと最も早くたどり着いた人がその年の「福男(福女)」となります。
基本的に開門神事は老若男女を問わず、誰でも参加できます。参考までに、2013年度の案内看板を写真にアップします。
1月9日の夜より先着順で受付開始、場所割り抽選が行われ、門前の最前ブロックに入れる権利を勝ち取るところから始まります。最前ブロックに入れないと、事実上、一番福となるのは無理でしょう。過去に三番福までに選ばれた人は、消防署員・大学の陸上部員など、男性のアスリートが多いようです。
境内は滑りやすく危険なので、服装や靴は動きやすく、走るのにふさわしいものでなければなりません。コスプレ・滑りやすい靴(革靴やサンダルなど)は一切厳禁です。ルールが変更されることもあるので、最新の詳しい参加方法は神社にお問い合せください。
なお、三番福までに入れば豪華副賞が授与され、ニュースにもなりますが、トップアスリートでなくても開門神事には参加できます。開門神事で先着5千名の参拝者には「開門神事参拝之証」が授与されます。一般の参拝者は、開門神事の雰囲気を味わいつつ、早朝の本殿へと走って「開門神事参拝之証」をいただけば、きっと福がやってくるでしょう。
■西宮えびす・開門神事
開催期日:毎年1月9日~11日(2019年も同様)
開門神事開始は10日午前6時
アクセス:阪神本線西宮駅下車
電話:0798-33-0321 (西宮神社)
URL:http://nishinomiya-ebisu.com/
野沢温泉の道祖神祭り(長野県野沢温泉村)
小正月、正月飾りなどを燃やす「とんど」「左義長」と呼ばれる行事が全国各地にあります。なかでもこの「野沢温泉の道祖神祭り」は、日本でも最大級といっても過言ではない、とんどの行事であるともいえます。祭りの主役は、40歳~42歳と25歳の厄年の男たち。
行事は13日に、木造の社殿を組み立てるところから始まります。山からご神木が運ばれ、14日の深夜までかかって社殿の組み立てが行われ、15日の昼に社殿が完成します。とんど行事なので、15日朝までに村人の正月飾り・門松・書き初め・お守りなどが持ち寄られます。
そしてクライマックスは、19:00頃から始まる火の攻防戦。社殿を守る厄年の男たちと、社殿に火をつけようと松明を持つ村人との激しい戦いが繰り広げられます。
古式にのっとり火打ち石で採火した松明が厄年の男たちによって運ばれ、20:00頃から社殿にて、いよいよ火祭りが始まります。
火をつける村人にたいし、社殿の前に立ちふさがって社殿を守るのは25歳の厄年の男たち。攻守共にお互い、御神酒で酔っていることもあって、「ケンカ」さながらの激しい叩き合いとなり、ケガややけどもすることに。
火をめぐる攻防戦は22:00過ぎまで行われ、最後に社殿に火が入れられて激しく燃えあがり、祭りはフィナーレをむかえます。火は翌朝まで残っていて、村人が餅と網を持参し、残り火で焼いた餅を食べると、その年は風邪をひかないと言い伝えられているそうです。観光客でも、餅と網と醤油とを持参すれば、同様に御利益がいただけるでしょう。
ちなみに以下の写真にある笠のようなものは「初灯籠」とよばれ、前年に長男が誕生した家が、子供の成長を祈願して作り、火祭りに奉納するものです。
■野沢温泉の道祖神祭り
開催期日:毎年1月15日 (2019年も同様)
アクセス:JR飯山線 戸狩野沢温泉駅からバス
電話:0269-85-3155 (野沢温泉観光協会)
URL:http://www.nozawakanko.jp/spot/dousozin.php
三十三間堂 通し矢(京都府京都市)
江戸時代初期に、三十三間堂の廊下で武士が弓の技術を競ったのが起源とされている行事。現在では、京都府弓道連盟が主催する弓道の全国大会になっています。この写真のように、新成人が振袖に袴・たすき掛けといったいでたちで弓を引く場面を、毎年テレビニュースで見たことのある人は多いと思います。以前は1月15日成人の日に開催されたので、地元での成人式典かこちらかを選ぶ究極の選択を迫られることになりましたが、祝日法の改正以降、通し矢にも地元の式典にも両方参加できるようになりました。
通し矢の大会、新成人の場合は初段以上であれば参加できます。大学・短大の弓道部や、地域や職場の弓道サークルなどに所属して練習を重ねているケースが多いようです。新成人以外の方でも参加できますが、段位などの条件がより厳しくなります。出場申込や最新の参加資格など、大会についての詳しいことは三十三間堂ではなく、京都府弓道連盟(電話:075-692-3484)にお問い合わせを。
例年、大会当日は、三十三間堂の拝観料(大人600円)が無料になります。最新の情報は三十三間堂のサイトをご覧ください。
■三十三間堂 通し矢
開催期日:毎年1月15日に近い日曜日 (2019年は1月13日(日)に開催)
電話:075-561-0467(三十三間堂)
アクセス:京阪本線七条駅下車(JR京都駅から市バス「博物館三十三間堂前」停留所下車)
URL:http://www.sanjusangendo.jp/
ぜひ、新年の祈りをこめに、行事に、祭りに、出かけてみませんか?