Surfaceは電子書籍端末として可能性があるのか？

Surfaceで電子書籍が読めるの？

電子書籍業界はPCで読書をするという意識が薄く、今一部電子書籍サービスがPC向けビューアを提供しているだけです。しかし、マイクロソフトのSurfaceシリーズは、Windowsタブレットと銘打っているので、タブレットとしてなら電子書籍もアリではないかと思い、早速電子書籍を試してみました。
 

まずはWindowsアプリがあるかどうか？

今回は、最新のSurface Pro 2を使って見て行きたいと思います。
まず、Windows 8にはWindows ストアというアプリストアがあるので、そこに電子書籍アプリがあるか確認します。
ストアを覗くと総合電子書籍書店のアプリがほとんどありません。今回は富士通のBooksVとNTTソルマーレの地球書店のアプリを入れましたが、「この端末では見られません」という電子書籍ばかりで、対応している電子書籍がどれかわかりません。アプリを供給している意味があるのでしょうか？
特にBooksVはブラウザビューをアプリの中に組み込んで閲覧させているという状況なので、正直なところ、とりあえず作ってみた感が漂っています。
これらアプリをダウンロードしたユーザーは電子書籍を楽しめるのでしょうか？この状況を見るとネガティブな感想しか出ないと思います。  

BookLive!のWindowsソフトを入れてみた

以前からWindows MobileをはじめWindows向けにビューアを提供しているBookLive!ですが、Windows 8アプリの提供は今のところ（11月24日時点）ありません。しかし、Surface Pro 2では、従来までのいわゆるデスクトップ上で動作するソフトも利用できるので、BookLive!ビューアをインストールしてみました。

PC版BookLive!ビューアと同じようにインストールしてBookLive!のアカウントで認証するとPCで利用するのと同様に使えます。
現時点でまともなSurface 2用の電子書籍アプリがない中、BookLive!のソフトは品揃え、動作含めて最も現実的な選択肢といえるでしょう。

動作はサクサク動くので特にページ送りの速度は秀逸です。スタンドを建てた状態で画面の両側を持ってマンガを読むスタイルは想像以上に楽に読めました。これは他のタブレットにはないSurfaceならではの読書体験ではないでしょうか？

しかし、先ほども説明したとおり、ソフトをインストールできるのはSurface Proシリーズのみなので、Surface 2及びSurface RTのユーザーは利用できません。

また、Surface Pro 2は手に持って電子書籍を読むにはやはり「重たい」ので、軽いSurface 2で電子書籍を読みたいと思うのが正直なところです。
   

どこがブルーオーシャンのSurface市場にやってくるか？

電子書籍のWindowsストア アプリ対応が遅れている理由は幾つか考えられますが、もっとも大きいのは恐らくコストの問題でしょう。電子書籍ビューアアプリの作成には莫大なコストが必要となるからです。iOS、Android搭載のスマホやタブレットと比較した場合、普及率という点でWindows ストアアプリにビューアを投入するのは、チャレンジングなことかもしれません。

しかしガイドは、今後Surface 2のユーザーはどんどん増えてくると考えています。今回Surface Pro 2に触れて実感したのですが、同機では仕事とエンターテイメントの両方が一台でまかなえてしまうのです。また蛇足ですが、昨今話題の『艦隊これくしょん～艦これ～』がサクサク動作するのも、提督の皆様にはうれしいところでしょう。

言うなれば、Surface＝Windows 8市場は電子書籍業界にとってのブルーオーシャンと言えるかもしれません。そこに対して「“ちゃんとした”電子書籍アプリを投入してくるプラットフォーマーはどこなのか？」は、今後注目すべきポイントでしょう。