体の使い方(3):左側への移動と注意点
図5:クラブ(足元:左移動)
次に左方向に動いてみます。右に移動しダウンの加重をしている状態から(「ワン=オンビートのカウント」)、一度「エン」のカウントで前ページの図1の状態に戻ります。そしてそのまま、右に移動した時とは逆の足の使い方(図5)で左側に移動します(図6)。この時のカウントが「ツー」になります。
図6:クラブ(左移動)
[注意点]ここで間違いやすい例について補足します。この「クラブ」は、ステップの名称をそのまま捉えると「Crab(蟹)=横の動き」となるのですが、図4や図6の通り、実際には横に動くのは下半身のみで上半身はニュートラルの位置から動きません。イメージとしては「膝を曲げてダウンをとりながら、腰を外側下方向にぎゅっと押し込む」で、上半身も横に移動してしまうと地面に対して平行移動してしまい、間違った動きになるので注意して下さい。
応用(1):上半身のバリエーション
図7:クラブ(上半身)
ここからは応用を2つ紹介します。まず1つ目は、ここまで説明してきた「ダウン」のリズムでの動きのまま、上半身を外側に振り出すスタイルです。この際には、両足をつま先とカカトでひねり出す際に、右移動であれば右のわき腹を、左移動であれば左のわき腹をたたむ(図7)ようにすると感覚をつかみやすいかもしれません。
応用(2):アップのリズムでのクラブ
図8:アップのクラブ(右)
多くのストリートダンスのステップと同様に、この「クラブ」も、「アップ」のリズムで踊ることが出来ます。ニュートラルの姿勢の際に膝を曲げて姿勢を低くしておき、つま先とカカトの使い方はそのままに「ワン(オンビート)」で図8のように上に伸びることで「アップ」のリズムとなり、そしてそのまま「エン」でニュートラルの姿勢に戻ってから反対側(左)に伸びる、を繰り返せば完成、となります。
最後に
今回は「クラブ」のステップを通じてつま先とカカトの使い分けを練習してきましたが、いかがでしたでしょうか。途中でも述べたように、普段の生活でつま先とカカトを分けて意識することはなかなか無いかもしれません。しかしながら、例えばごく普通の「歩く動作」の時にも、実際には足がカカトから地面に着地し、足の裏で地面を踏みしめて最後につま先から地面を離れています。これをしっかり意識するだけで歩く姿勢が良くなるという効果もあるので、ダンスをきっかけとして、日常の中にこうした「ちょっとした意識」を加えてみることをお勧めします。