旅する前に知っておきたいサンフランシスコの治安
サンフランシスコのランドマーク、ゴールデンゲートブリッジ
世界中から旅行者が訪れる街、サンフランシスコ。アメリカのコンサルタント会社「Mecer」が発表した、犯罪発生率や公共サービスなどを総合して評価される「世界で住みやすい都市ランキング」で、サンフランシスコは世界で第30位、アメリカ国内ではホノルルに次いで2位(2011年調査)にランクインしています。治安も比較的安定していて、公共交通機関も充実している観光のしやすい街ですが、やはりここはアメリカ。日本とは違い、道を1本外れるだけでかなり危ない地域に迷い込んでしまうこともあります。重大な犯罪に巻き込まれないよう、治安に関する情報は事前によく調べておきましょう。
ここからは観光客がよく訪れるエリアの治安を個別にみていきます。
ユニオンスクエア周辺
ケーブルカー乗り場からも近いユニオンスクエア
ケーブルカーの乗り場に近く、昼間でも夜でも大勢の人が出歩くエリアです。昼夜問わず出歩いても問題ありませんが、ショッピングや写真撮影に夢中になり、荷物の管理が疎かになってスリや置き引きの被害に遭わないよう注意しましょう。
シビックセンター周辺
サンフランシスコ市庁舎周辺は要注意エリア
アートミュージアムや市庁舎、クラッシックの名門デイビス・シンフォニーホールなどのある地域です。しかし、周辺の治安はあまり良くありませんので、昼間でも訪れる際には注意が必要です。とくに夜は立ち寄らない方が良いでしょう。
また、シビックセンターの周辺にはサンフランシスコダウンタウンでも治安が特に良くない「テンダーロイン」という地域があります。ここはホームレスが多く、夜間は違法ドラッグの売買などが行われる危険な地区です。ユニオンスクエアなどの観光スポットからも近く、散策をしているうちに迷い込んでしまう可能性もありますが、事前に地図で場所を確認して昼間でも夜でも絶対に立ち入らないで下さい。
フィッシャーマンズワーフ周辺
SFを訪れる人のほとんどが足を運ぶ、フィッシャーマンズワーフ
昼間は大勢の人で賑わいます。昼間の治安は全くと言っていいほど問題はありません。ただ、観光客が多く訪れる地域ですので、そちらを狙った置き引きやスリなどの被害には気を付けましょう。レストランなどはありますが、夜になると人が急に少なくなりますので、周囲の状況には要注意。
夜間にこのエリアからユニオンスクエア周辺にあるホテルに戻る場合、公共交通機関の路線によってはあまり治安が良くないエリアを通過することがあるので、安全のためにタクシーの利用をお勧めします。
ゴールデンゲートパーク周辺
地元の人の憩いの場、ゴールデンゲートパーク
ゆったりと過ごしたい人が数多く訪れる場所であり、植物園やカリフォルニア科学アカデミーなどの施設もあり大勢の人で賑わいます。昼間はジョギングやウォーキングをする人も多く、子ども達が遊ぶ姿なども見られます。ただ、公園ですので夜は人気もなく、街灯も少なくなり真っ暗になります。昼間は問題ありませんが、夜は近づかない方が無難でしょう。車などで通るには問題ありません。
公共交通機関の治安
空港からSF中心部を約30分で結ぶ高速電車、Bart(バート)の車内
サンフランシスコは公共交通機関が発達しており、早朝から深夜まで利用することができます。サンフランシスコを中心に郊外へ延びる高速電車「Bart」、主にサンフランシスコ市内を走る「Muni」、空港周辺地域からサンフランシスコ周辺をつなぐ郡営バスの「SamTrans」などが旅行者が主に利用する公共交通機関です。
これらは明るい時間帯であれば利用者も多く、安全に利用することができます。ただ、車内でちょっと目を離した隙に荷物を盗まれるということもありますので、日本でよくみかける「公共交通機関での居眠り」は厳禁。このような公共交通機関を利用する際にも、怪しい人は乗車していないかなどをしっかりとチェックし、安全のために深夜の利用は避けた方が無難です。
車上荒らしに遭わないために
パーキングメーターがある場所には駐車ができますが、できるだけ屋内駐車場の利用を
公共交通機関の発達したサンフランシスコですが、近くにあるワインカントリーのナパなどに出掛けるためにレンタカーを借りる方も少なくないでしょう。アメリカ全土でいえることですが、車上荒らしの被害が後を絶ちません。しっかり車に鍵をかけていても、ガラスを割られて車内の貴重品を奪われる事件が多発しています。路上駐車をしている車が狙われることが特に多いので、サンフランシスコでは長時間の路上駐車が認められている場所もありますが、できる限り屋内の有料駐車場を利用することをお勧めします。
車上荒らしの被害に遭わないために以下のことを守りましょう。
- 短時間の停車でもしっかりと施錠する。
- 車を離れる時は、かばんやスーツケースなどを見えるところに置かない。(できればトランクにも荷物は残さない)
- 盗難防止のために、カーナビゲーションは使う時だけ取り付ける。
- 車を離れるときは見えないところに収納する。
携帯電話に要注意
地図としても使えて非常に便利ですが、周囲の状況には要注意
スマートフォンなどで地図を見ながら歩いている旅行者をよく見かけます。ポケットWi-Fiなどを利用すれば海外でもさまざまなアプリケーションを使って安く、便利に使えるスマホですが、サンフランシスコを始めとしたアメリカ国内ではこのスマホを盗まれる事件が相次いでいます。例えば、バスや電車などに乗車している際に突然スマホを奪われ、奪った犯人は下車して逃走してしまったり、また、操作に夢中になっている間に複数の人に囲まれて強引にスマホを奪われるなど、事例はさまざまです。
対処方法としては、必要以上に人前でスマホを操作しないということ。操作をするときは周囲に怪しい人物がいないかなどを確かめることも大切です。アメリカでは至る所で公共のWi-Fiを使うことができますが「ここは日本ではない」ということを意識しましょう。
鉄格子がついたドアや窓のある地域に注意
窓が極端に小さい家が建ち並ぶ地域、また、建物の窓やドアに鉄格子がつけられている地域は、治安があまり良くない場所とされています。もしそのような地域に迷い込んでしまった場合は、速やかにその場を立ち去るようにしましょう。