ローカル線を味わいつくす欲張りプラン
エリア内を乗り降り自由のJR東日本のウィークエンドパス。このお得なきっぷを使ってテツな週末旅行を楽しんでみた。テーマは“鄙びた風情と温泉、のんびりとディーゼルカーが走るローカル線”。そんなイメージに合うのが、ウィークエンドパスでも一部利用できる会津鉄道沿線だ。さらにもう一つ、行きに水郡線沿線も旅してしまうローカル線堪能欲張りプランにいざ。旅程
■1日目上野駅8:40発→(常磐線)→水戸駅10:57着、11:14発→(水郡線)→袋田駅12:28着
・三大幕府「袋田の滝」を見学、昼食
袋田駅14:25発→(水郡線)→郡山駅16:26着、16:41発→(磐越西線)→会津若松駅17:56着、18:06発→(会津鉄道)→湯野上温泉駅18:44着
■2日目
湯野上温泉駅10:19発→(会津鉄道)→塔のへつり駅10:24着、
・景勝「塔のへつり」を見物
塔のへつり駅12:50発→(会津鉄道・お座トロ展望列車(※))→会津若松駅13:42着、14:14発→(磐越西線・快速あいづライナー(※))→郡山着15:16着、15:20発→(東北本線)→黒磯駅16:23着、16:35発→(東北本線・快速ラビット(※))→上野駅着19:10
旅レポート・1日目 筑波山を見ながら常磐線で水戸へ
まずは常磐線・勝田行き普通電車に乗車
常磐線の勝田行きには、2階建ての普通列車グリーン車が2両連結されている。普通車はロングシート車が多いから、旅の気分を味わうにはグリーン車もいい。普通の車両よりも一段高いところから眺める車窓は見晴らしがよい。
しばらくは複々線の首都圏近郊区間を走る。利根川を渡って茨城県に入り、取手を過ぎれば複々線区間は終わり、広々とした田園地帯を駆け抜ける。すぐに直流から交流への電源切替のデッドセクションを通過する。古い車両なら一旦車内が暗くなり、その理由を説明する車内放送があったものだが、新型車両ではそんな「儀式」もなく通り過ぎる。
土浦を過ぎると左手に筑波山系が見えてくる
久慈川の流れに沿って水郡線で北上
水郡線の列車は何回も久慈川を渡る
袋田の滝と鮎の塩焼きでホッと一息
袋田の滝。間近で見物すると水しぶきが飛んでくる
10分少々で終点の滝本に着く。ここから歩いて10分ほどで滝見物へのトンネル入口へ。入場料を払うと、あとは案内図の通りに進めば、豪快な袋田の滝が水しぶきを少し浴びるほどの間近で眺められる。
鮎の塩焼きは奥久慈の名物だ
景勝地と風変わりな駅に見とれる
水戸黄門が度々訪れた景勝地・矢祭山
福島県に入って最初の駅は矢祭山(やまつりやま)。水戸黄門さまがよく訪ねたことで有名になった景勝地だ。駅の右手には真っ赤な「あゆの吊り橋」が久慈川の架かり、周囲には奇岩が目につく。
斬新なデザインの磐城塙駅。駅舎内にはギャラリーや図書館もある
列車は次第に渓谷から広々した田園地帯を走るようになり、袋田から約2時間で終点郡山に到着する。
磐梯山に見送られて会津若松、さらに湯野上温泉へ
磐梯山の最初左に、やがて右にその雄姿を現す
磐梯熱海からの峠越えも苦もなく進み、やがて磐梯山の雄大な姿が車窓に見えてくる。線路が曲がりくねっているので、最初は左手に見えるが、そのうち右手に移っていく。上戸を過ぎると猪苗代湖の近くを走るが、トンネルもあり、よく見ていないと湖は見えない。一方、磐梯山の方は、いつまでも右手から列車を見守り続けているかのように立ちはだかっている。
郡山から1時間15分で会津若松着。今日はさらに先を急いで会津鉄道のディーゼルカーに乗って湯野上(ゆのかみ)温泉まで行く。夕闇迫る湯野上温泉駅に降り立つと、珍しい茅葺き屋根の駅舎が迎えてくれた。この日は温泉につかって、のんびり旅の疲れを癒すことができた。
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