食費は月収の13~16%を目安に
食費の目安は……
「私が家計診断をしたご家庭のなかには、月々の食費が1万円という家庭もありました。その努力は評価に値するものの、食材も調味料も限られるため、メニューは違っても味はどれも同じ……。これで果たして家族が喜んでいるのかと考え込んでしまいました。やはり、おいしく、楽しい食事をするには、月収の13~16%程度は食費に充てたいところ。一方、ついつい多くなりがちな通信費は、7%以内に納めるようにしたいものです。食費と通信費が同額の3万円だった場合、通信費を変えずに食費を削ろうとする人がいますが、家族の健康を大切に考えるなら、その発想は間違っていると言わざるをえません」(ファイナンシャル・プランナー畠中雅子さん)
また、お金を貯めるうえでは、給料日などに毎月一定の金額を給料天引きなどの方法で積み立てて、残ったお金でやりくりする方法が有効です。
「その場合も、老後が不安だからとより多くを貯蓄に回し、生活費を切り詰めようとする人がいます。ですが、やり過ぎは禁物。夫だけが働いている場合には月収の10%、共働きの場合は15%を目安に、積み立てるといいでしょう」
余剰金は貯めずに使う!
ここまで見てきたように、「予算」を立てる場合は、月収の10~15%分の貯蓄、同じく15%分の食費、毎月かかる住居費などを差し引いたうえで、夫婦の「譲れないもの」の予算を決め、残りをその他の支出に配分するという手順が考えられます。そして、予算を決めたら、支出をその範囲内に納めるよう、家族で協力し合います。「もしも月末にお金が残った場合には、貯蓄に回したりせず、外食やレジャーなどに使ってしまいましょう。というのは、楽しみがなければ、長期にわたってモチベーションを維持するのが難しいからです。言い換えれば、月末にお金が残ったら外食やレジャーに使えると思えば、ムダ使いをしないよう努力するでしょう。それを数ヶ月分まとめれば、ちょっとした旅行ができるかもしれません。ただし、毎月1万円以上のお金が余るようなら、予算の立て方自体が間違っています。必要以上に削り過ぎている部分がないか、見直すことが必要です」
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畠中雅子さん
ファイナンシャル・プランナー。大学時代からフリーライターとして活動し、出産後にマネー分野を専門とするライターとなりFP資格を取得。新聞・雑誌・WEBなどに多数の連載やレギュラー執筆を持つとともに、セミナー講師、講演などを行う。「教育資金作り」「生活設計アドバイス」「住宅ローンの賢い借り方、返し方」「オトクな生命保険の入り方と見直し方」などのテーマを得意としている。
取材・文/大山弘子 イラスト/本山浩子 パネルデザイン/引間良基